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堂本光一『Endless SHOCK』演技は無限の広がり―FNS歌謡祭2019感想文
2019年12月4日に放映されたフジテレビ系『FNS歌謡祭2019』。豪華な出演陣の中で私が気に入った人を紹介しようと思う。
最初に紹介したいのが堂本光一だ。彼は主演するミュージカル『SHOCK』の一場面を他の出演者と共に演じた。会場は普段『Endless SHOCK』が上演されている帝劇や梅劇とは違い、高輪グランドプリンスホテル「飛天」だ。天井は他の広間よりも高いものの、劇場と比べるとどうしても低い。このような中、どのような演技を見せてくれるのか放送まで不安でもあり楽しみであった。
■堂本光一に中学1年生男子が驚きで固まった
『FNS歌謡祭2019』を私は中学1年生の甥と一緒に見ていた。夜食を口にしつつ、バカ話をしながらテレビの前。よくある家庭の風景だと思う。
いよいよ堂本光一の登場。私はテレビの中の堂本光一を指さしながら「伯母ちゃんね、大学生の頃から好きやねん」と甥に伝える。甥は「でも、この人小さいやん」と怪訝な表情を見せた。
甥が怪訝な表情を見せたのには訳がある。男子中学生のステータスは「背が高い」。小学生と違い、「運動ができる」というステータスは使えなくなってしまう。甥はスポーツ万能なものの、とても背が低い。なかなか伸びない身長にコンプレックスを抱いているのは感じていた。その甥自身のコンプレックスを堂本光一に向けたのだ。
甥は自分の思うカッコイイ人が見たかったかも知れない。背が高くたくましい人。ジャニーズでいうなら長瀬智也だ。しかし、仲の良い伯母さんが好きだと言うのであればと、並んで見てくれた。
いよいよ堂本光一がステージの中心に立った。披露されるのは『Endless SHOCK』の劇中劇の『MUGEN(夢幻)』だ。幾何学的なダンスから始まり、天井から垂らされた布を掴んでのフライング。この流れだけで甥の視線はテレビ画面に釘付けになった。ワイヤーも何もない状態で宙を舞う難しさは、小学1年生のころからスポーツを続けている甥にはよく分かっている。
とても困難なことをステージでさらっとやってのける堂本光一の姿を目にし、中学1年生の無駄なお喋りは止んだ。
■音響はクソだったと思う
フライングの後はパーカッションの音が響く。堂本光一と中山優馬が和太鼓を乱れ打ちするシーンだ。このシーンでとても残念だったのが、和太鼓の音をマイクが上手く拾えなかった点。和太鼓は他の楽器以上に空気を震わせることで迫力が増す。さすがに空気の振動までマイクは拾えなかったのだろう。これはとても残念だった。
加えて、会場の乾燥も気になった。ステージを照らすライトは観客が思う以上に乾燥させる。寄席でも冬場ではトリの芸人が咳込みながらネタをすることがある。会場に観客が入っていたとしても、ベテラン芸人が困るほど乾燥することがあるのだ。しかも、『FNS歌謡祭2019』は長時間生放送。途中で会場に湿度を加えるのは難しい。
一般的に湿度が低い方が音は伝わりやすいという。だが、動物の皮を使った太鼓であったり歌を歌う人間だったりには良くない環境だ。太鼓の場合は乾いた軽い音になり、人間の場合は声が出しにくくなる。呼吸は出来ているのに窒息しそうになるのだ。これは出演者の技術の問題ではない。スタッフがどこまで配慮するかの問題になる。
かといって、加湿をがんがんに行えば、今度は撮影機材に影響が出る恐れがあるのだ。そうなると生中継が困難に。これがテレビの長時間生放送の痛しかゆしな部分だと思う。出演者に無理をさせてでも、放送を行わなくてはならない。致し方ないと分かっていても、どうにかならないものかと思ってしまう。
フライングでテレビ画面に釘づけになっていた甥も、音響の乏しさにガッカリしていた様子。それでも、激しく撥を振り下ろす堂本光一から視線は外せなかった。
■自分が輝ける舞台を見つけることの大切さ
堂本光一は背が低い。それを甥は背の伸びない自分と重ね合わせ、「小さいおじさん」と軽く見た。しかし、『MUGEN(夢幻)』の激しい演技、その後の雄大な『CONTINUE』を目にし、甥の態度は変わっていた。「本当に同じ人なん?」と驚きが隠せない。演技中はとても大きな人に見えたらしい。
感動する甥に、私は言った。堂本光一は最初からステージで大きく見える舞台人ではなかった、と。脇を背の低い人で固め、大きく見せようとした演出があったことも覚えている。堂本光一が尊いのは、それで満足しなかったことだ。満足せず歌やダンス、演技の稽古に励んだ。その結果が「今」なのだと。KinKiKidsとして26年、『Endless SHOCK』は20年走り続けた。
色々とやりたいことの多い中学1年生の甥にとっては、途方もない苦労と時間のように思えるかも知れない。でも、当の堂本光一にとってはあっという間の時間だったのではないだろうか。それが芸に打ち込むということなのだから。
現在、中学1年生の甥には堂本光一のように自分が輝ける舞台を見つけて欲しいと願っている。背の高さなど関係ない。輝ける舞台を見つけ、ひたすら打ち込んだなら大きな人物になれるのだ。それを甥に気付かせてくれたのが、『FNS歌謡祭2019』の『Endless SHOCK』だったと思う。
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