PATTERNS 2 シャツの縫い目
こんにちは、YOSUKE KURIBAYASHI CLOTHES WORKS です。
前回のフーデッドシャツの続きになりますが、今回はシャツ全般にあけるトラディショナルな縫製方法「折ふせ縫い」について書いてみようと思います。
YOSUKE KURIBAYASHI Cotton Frannel Hooded Shirts
この写真と下の写真はシャツを裏返したものです。
裏からみてもあまり違和感がないですよね。
折ふせ縫いとは、生地の端のほつれを防ぐために縫い代を縫い代でくるんで表からステッチで止め付ける始末です。
もともとはロックミシン(縫い代のほつれ止めようのギザギザ)が無い時代の縫い方なのですが、現在もシャツ、特にメンズにその仕様が使われています。
自分はこの仕様が好きです。
ロックミシンで仕上げることの倍の手間がかかりますが、個人的にはこちらの方がより本格的というか、きちんと作られたしっかりとしたシャツらしいものに思えます。
実際袖を通すとき、洗濯して裏側が目に付くときに、あー気持ちいいなぁ、よっしゃ今日も頑張ろう!なんて気分になって、愛着も湧きます。
結構同じように思われる方多いのではないでしょうか?
実際お客様男女ともにとても喜んで頂いている部分です。
着ていると見えない部分ですがデザインに直結する”構造的ディテール”です。
このシャツにおいては、そういったトラディショナルなシャツの記号としての理由だけではなく、別の理由もあります。
前回のコラムでお話した、もともとバラバラだったパターンをくっつけたりばらしたりすると構造線が複雑になって、大きなカーブが増えていきます。
大きなカーブと小さなカーブを縫い合わせて立体的なフォルムを構築させるのですが、問題になるのが縫い代です。
ちょっとややこしいので簡単に書いてしまいますが、内径外径差によって生地に皺やひきつれがおきやすくなってしまうのです。
皺やひきつれをおこさないようにどうしたらよいのか?
縫い代の巾を狭くしよう!
このネル素材の場合、ロックミシン仕上げの場合縫い代は12mm必要ですが、折ふせ縫いの場合は出来上がり8mmにすることができます(ちなみに綿ブロードでは5~6mmまで可)。
たかが数ミリなのですが、仕上がりは全然異なりとても美しいシルエットになりました。
トラディショナルであることと、デザイン上で絶対必要であること。
しっかりしたデザインを永く楽しんでもらえることを
今後もたくさん盛り込んでいけたらと思っています。
次回もお楽しみに!
まだ始まったばかりですが、"PATTERNS"のコンテンツ充実に使わせていただきます。よろしくお願いいたします!