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子育て中の技術のキャッチアップに焦る人へ

子育てエンジニア Advent Calendar 2024 の八日目の記事です。

十一月に Findy さん主催で Ask Me Anything! t-wada さんに何でも聞いてみよう!が開催されました。 Findy に登録するとアーカイブ視聴が可能です。

t-wada さんに寄せられた質問の一つに子育てと技術のキャッチアップについての悩みがあり、それに対する回答が、自分にはとても刺さりました。子育て中の技術のキャッチアップに焦る気持ちのある人に共有したいと思い、この記事を書いています。叶うなら過去の自分に届けて上げたいです。

直接視聴が可能な人は 44分からこの質問に対する回答が始まります。

筆者の状況

どうして、この質問に対する回答が筆者にとって刺さったのか、筆者の状況について前提を合わせたいと思います。

今現在、在宅でモバイルアプリケーションの開発をしながら、三人の子どもを育てています。現在一番上が高校一年生で、一番下が小学一年生です。長男が生まれた頃からリモートワークを選んでいました。子育てのためにリモートワークを始めた訳ではなかったのですが、結果的に自分にとっての子育てのためには、リモートワークは必要なものであったと感じています。
ここまで育ててきて、幼少期の当時と比較すると、子どもたちはだいぶ手がかからなくなりました。徐々に子どもたちも親離れをしつつあるそんな状況にいます。

在宅ということもあって、それなりに子どもとの時間は作っていたと思います。正確な比較対象はないし、時間で比較するものでもないし、曖昧な自己評価で、勝手に敵を作り上げて自己批判したり、自分の子育てはどうなのかと内省することは大事ではあるけれど、それによって暗い気持ちになってしまうくらいなら、やらなくても良いことの一つだと思います。

私には、子どもと過ごす時間の量よりも、その時間の心持ちに後悔があります。

特に公園で子どものブランコを押している時の虚無感は耐え難いものがありました。この時間に他の人は技術のキャッチアップをしていて遅れを取っている焦燥感と、子どもとの時間を素直に楽しめない自分に対する失望感も相まって、とても暗いものを覗いている時間だったと記憶が残っています。もちろん全ての時間が楽しめていない訳ではなかったですが、そう感じた瞬間が自分の中では重く大きく占めています。

この記事では、そういう焦りとか諦めとかで苦しんでいる人にも届いたら良いなと思って書いています。

t-wada さんへの質問と回答

t-wada さんに寄せられた質問は次のような内容でした。

自分には未就学の子どもが3人いるのですが、技術のキャッチアップに時間を取れる気がしません。twadaさんにもお子様がいらっしゃると思いますが、子育てで忙しかった時期に工夫されていたことはありますか?

t-wada さんはそれを受けて良い質問ですねとまず返しています。それに対する回答を要約すると、次のような内容です。

子どもが小さい頃は、勉強・技術のキャッチアップはほぼ諦めていました。人生にはそう時も必要だと思っています。基本的にキャッチアップは後からでも致命的に遅れることはない。後からでもキャッチアップはできます。だけど、大きくなっちゃった子どもをもう一回ちっちゃくするってことはできません。だから、人生にはプライオリティがあって、子どもが子どもでいられる時間っていうのは本当に短いのでその時はその大事なことに投資する

回答に対する感想

良くも悪くも IT 業界と呼ばれる技術のトレンドは移り変わりが早くて、技術をキャッチアップする効果は実はそれほど高くないというのは筆者も共通の感覚としてあります。必要になった時に必要な分を学べることがより重要です。対応する環境によって、バージョンの差異による制限もあり得てしまうので、仮にキャッチアップをしていてもその全部が無駄になるということはないですが、キャッチアップした内容がそのまま活かせるとは限りません。参画しているチームの成熟度やビジネス要件によっては、扱える言語やフレームワーク、ライブラリの組み合わせを考慮する必要もあり、選択肢が限定されることもあります。キャッチアップしていたとしても担当する環境に応じてキャッチアップする必要性が常に生じます。

今現在の結論としては、 t-wada さんの言葉にも後押ししてもらって、以下を指針として持っています。

  • 子育てを優先するなら、技術のキャッチアップを諦めても良い

  • キャッチアップを諦めることは、技術者としてのキャリアを諦めることとイコールではない

子育て中にできること

t-wada さんの回答の後半は、子育て中は両手が塞がってしまうので、スマートスピーカーや、ポッドキャストを利用してを使うのが大事とも語られていました。これにもすごく共感しました。

以下は、筆者が利用しているオーディオブックが聴けるサービスです。

筆者の両手を塞がっている時期にはそういったサービスは多分まだなくて、異なるケースではあるのですが、ディスプレイの前にいなくてもできることとして、子どもを園に送った帰り道や、迎えに行く道では、一人なので、歩きながら聴いていました。

おわりに

振り返って、今を再評価すると、子育てとは関係なく、関わる仕事の関係で、技術のキャッチアップ、理解度、経験には大きな凹凸があります。個人で開発することは非常に稀で、チームメンバーと協力して仕事を進めるので、各々に凹凸があって自然です。大切なことは、凹凸があることに自覚的であり、補い合える関係性を築けることだと感じています。

改めて、子どもが子どもでいられる時間には限りがある、というのを痛感しています。子どものためとかでなく、自分にとってで考えて欲しくて、子どもと過ごしたいとあとで思ってもそれはやり直せるものではないです。だからもし、子どもと過ごすことを優先したいと思っていて、それをすることで技術のキャッチアップに対して負い目を感じることがあるなら、今は一旦置いておいても大丈夫です。

最後にカメラロールの中から子どもたちがブランコしている写真を見返したら、すごく笑顔でいてくれて、もしかしたら当時の自分もすごく楽しんでいたかもしれないです。つらいという感情で記憶を上書きしてしまっていたかもしれません。撮った写真を見返すだけでも、救われる気持ちになるかもです。

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