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あばたもえくぼ神経

舞台に関りながら時々考える事です。
 メモのようなお便りです。

 舞台作品にはアラがあります。きっと、どんなに良い舞台作品にもアラがあります。基本、アラは無い方が良いとされます。でも、アラが沢山あっても、楽しかったり、じいんときたりする作品には沢山出会いました。逆に、良くできてるな、と感心はするけど、感動は出来なかった作品にもあってきました。

 とにかく舞台作品にはアラはあります。でも、そんな事は気にならずに私は作品を楽しむ事ができるのです。
 きっと、私の目に補正がかかるのです。
 
 [あばたもえくぼ]という言葉があります。好きになれば、あばたもえくぼにに見えるようになる、と。きっと、これと同じような事が観劇中に私の目に起こっているのです。
 でも、なんでそんな事が起こるのかはっきりはわかりません。また起こらない時もあるのです。なんで起こらないのかもわかりません。

 [あばたもえくぼ神経]がもしなかったら、世の中冷たい事になるだろなあと思います。愛や恋があっても、相手を冷静に見続ける事になるのです。多分、人類が滅びます。人類にとって[あばたもえくぼ神経]は素晴らしいものです。
 でも、だからといって[あばたもえくぼ神経]に流され過ぎるのも良くないなぁ、とも思うのです。いつどれくらい発動するかわからないからです。後、冷静にモノを見れていない状態だからです。
 舞台作品を見ている自分を考えて、時々そんな事を考えます。観劇しながら時々自分のそのあたりの感覚をはかっているような気がするのです。

 [あばたもえくぼ神経]についてまた時々考えていきたいと思います。人がわざわざ不便で手間のかかる事に関わる理由はそのあたりにあるような気がします。
 またお便りします。

 追伸
 今日は京都に大雪警報が発令されました。
 今携わっている公演の舞台
 サハリンの事を思い浮かべました。

『チェーホフも鳥の名前』
2022年1月26~30日東京 座・高円寺https://youtu.be/ubGoWRm3818

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