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初練習

レーシングスクールに補欠合格の後、合格者数名で合同練習があった。

初練習は、オーディションのあった栃木のツインリンク茂木サーキット。

本コースではなく、広いスペースでおこなわれた。このスペースなら少々行き過ぎても何かにぶつかることもなく、比較的安心して走行できる。

そのスペースで、まずはフルブレーキの練習。高速で走るマシンをしっかりとめること。それがマシンを操る上で一番重要。

一気に加速して一定のラインでブレーキを思いっきり踏み込む。そしてマシンをとめる。一見簡単そうだが、ブレーキを踏んでずっと強く踏んでいるとタイヤが完全に止まってしまい、タイヤが路面を滑ってしまう状態になる。そうなるとマシンは止まることなく、動き続けて下手をするとコースから飛び出てしまう。そうならないために、ブレーキを最初強く踏んだのち徐々にブレーキを弱めていかなくてはならない。

このマシンを止めるために、ブレーキを弱めなくてはいけないというのが、初心者の苦労するところだろう。普通の人は、マシンが止めなくてはと、焦ると反射的に強くブレーキを踏んでしまうものだから。

また、逆にブレーキを一気に抜きすぎても、マシンは不安定になりとまらなくなる。繊細なブレーキコントロールが必要となる。

私ももちろん最初は戸惑った。この時の練習では止まらなくてもぶつかる心配わないが、本コースはとまらなかったら、何かにぶつかってしまう。

実際、本コースを走って、止まれきれず、焦ってブレーキを踏んでますます止まらないというのを、何回も経験することになる。

その時はまだよくわかっていなかったが、マシンをとめるという基本中の基本で最も大切な技術を一番初めに習っていた。

そのあとは、マシンの向きを変える技術。これもただハンドルを切ればいいというものではなく、レースではいかに速く向きを変えれるかが、勝負となる。そのためには慣性の力を使ってマシンの向きをかえる。簡単に言うと後輪を滑らせてマシンの向きをかえている。そのために、ハンドル、ブレーキをうまく使い向きを変えていく。

これもブレーキ同様、基本中の基本でとても大切な技術。

マシンを操るということは、基本、止める、曲げるということにつきる。

それをこの日から身に着けていくことになる。

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