大都会から田舎、湖、そして思い出少々。
「スーパーホテル」で泊まった翌朝。朝ごはんをたらふく食べ、NHK静岡のローカルニュースを見たり、FMのニュースを聴いたりした後、いざ出発。
昨日辿ったところをバスで戻り、浜松駅へ。18きっぷの前に10数年前に乗った2つの鉄道に乗りにいく。
真っ赤な電車で
まず乗るのは「遠州鉄道」(通称遠鉄電車)。浜松市内を南北に縦断する路線だ。中小私鉄ながら12分おきの高頻度な運転をし、市民の足となっている。
ホームに入って入線してきたのは4両編成の西鹿島行きの電車。半分はグループの不動産事業の広告電車。もう半分は伝統の赤地に白のラインが入る。ここから「赤電」として親しまれることもある。
新浜松を発車すると路面電車かってぐらいに小刻みに停車し高架を走る。住宅、雑居ビルの他、「ヤマハ楽器」「ヤマハ発動機」と言った県を代表する大企業の大きな工場が立ち並ぶ。楽器は「カワイ」バイクは「スズキ」といった競合企業が同じ県でひしめいているというのはなかなか見られないし、スケールで大国の凄さを目の当たりにできるもんだ。
駅のホームは基本狭い。でも、一部で金属柵を設置しているところは抜かりない。ホームドアには劣るが、できる限りのスペースで安全対策を講じているのはなかなかだ。
「さぎの宮」はかの有名な「きさらぎ駅」のモデルと言われる駅。縁起悪そうに思えるが、聖地として知られるようになってからグッズなどで盛り上げているし、遠鉄グループ自体が祟られているかけらも感じない。そんなことにあやかって買った僕も良いことあるようにちょっと願ってみたりして…
30分乗って西鹿島に到着。ラッシュはとっくに過ぎたので「赤電」は切り離して車庫へ引き上げ。緑のは折り返し新浜松行きとなる。
遠鉄電車の検査などが行われる心臓部。ジャンクションも相まって賑やかそう。
雨、止み、晴れの浜名湖ぐるり
西鹿島からは「天浜線」こと「天竜浜名湖鉄道」で新所原を目指し西へ。
今回乗るのはTH2100形。「NDC」と呼ばれる第三セクターの定番でコスパの良いディーゼルカーだ。
今回乗った通常塗装のほか「国鉄風塗装」「ゆるキャン△」「エヴァ」など多彩でさらに「宝くじ」助成で新快速みたいな座席を備えたハイグレードな車両もいる。本当はこっちに乗りたかったなぁ〜
とはいえ、雨の中から雨上がりの日差し、浜名湖を眺めながらの音楽は楽しい。浜名湖で聴く『憂一乗』は良く似合う。
ちなみにこのときは「AKB48」の最新曲とタイアップしたイベントが展開。新所原駅はポスターでびっしりだったり、気賀駅、岡地駅などではメンバー命名の副駅名が付いた駅名看板に取り替えられていた。経緯は分からないが。
10数年前の思い出
実はこの2つの鉄道は10数年ぶりの乗車。ルートもほぼ同じのを逆回りで乗ってきた。両親、妹、僕の4人で新幹線で浜松へ行き、舘山寺温泉で泊まって、遊園地、フラワーパークなどを巡り、気賀駅から天浜線、西鹿島から遠鉄電車で新浜松へぐるりと巡った。本当は同じのに乗りたかったが、別のに乗れただけでもコンプしてるようで楽しい。ところどころ記憶が飛んでいるし、遠鉄の一部は高架化されたが、2つとも在籍車両はほぼ当時のままで乗った車両も形式を特徴ごと覚えていた。なぜかそういう記憶力は当時から強かったみたい。
そんなこんなで巡ったが、個人的にはまだ天浜線の東半分が制覇できていない。エヴァでも描かれた「天竜二俣駅」や多彩なラッピングなどを狙ってまた乗りに行きたい。