見出し画像

0002 校則改定と指導観の変容


生徒指導研究協議会

2023/11/16(木)~17(金)の2日間、生徒指導研究協議会に参加しました。
年に一度開催され、各学校での実践・事例が報告されます。
今日の記事では、印象に残っていることについてピックアップしてまとめてみます。

「校則の改定と指導観の変化」

X高校、テーマは「校則の改定と指導観の変化」でした。
発表を通して私が感じたことは、以下のとおりです。

①「教員の指導観の変容」の必要性
②「教員の指導観」が変わるために大事なこと

「教員の指導観の変容」

一つ目は、「教員の指導観の変容」の必要性です。
学校には、大勢の生徒が在籍します。生徒の価値観も多様です。安心・安全な学習環境を提供するには、学校の校則やルールには一定の効果があります。一方で、校則やルールの中には、必要以上に厳しいものや、「これって何のためのルールなの?」というものもあるように感じます。

一般社会で普通に行われていることが、学校の中では「重大な違反行為」となってしまう場合もあります。
例えば、「スマホの使用」について、通勤電車の中でスマホを触ることはごく自然な光景なのに、校内で使用すると指導を受けることにになります。
これが”良い”・”悪い”という論点ではなく、「学校=生徒の自律を促し、集団の中で良い学習習慣と生活習慣を身につける場」と考えたときに、学校がどこまで生徒の行動を管理するか、の線引きが非常に難しいなと私は感じます。

「指導観の変化」

校則の見直しは、現在私の勤務校でも進めている最中です。たしかに、「この規則は必要ないね」「この表現は今の時代にふさわしくないね」というものがたくさん出てきます。ただし、これらの規則も、その時代の当事者であった先生たちが知恵を出し合って定めたものでしょうから、単に批判的に見るのはリスペクトに欠けますし、何でもかんでも変えれば良いというものでもありません。
校則を見直すことや指導観を変えていくことは、あくまでも「生徒の自律・成長を促す」ための手段であって、変えることが目的化してはいけません。

発表の中で私が感じ取ったポイントは3つです。
①生徒は独立した個人であり、個人の人権は尊重されるべきものである
②社会の常識を学校の常識にしたい
③管理より自律の精神を育む

指導観が変わることで、生徒自身も”他律”→”自律”へ変容していく。そのために、まずは生徒へ「自己選択・自己決定」の場と幅を与えるとこが大切である、ということでした。

さいごに

発表を通して、X高校では長期的な取り組みとして「校則の見直しを通しての指導観の変容」と向き合っておられるように感じました。
また、様々な価値観をもつ教員同士の合意形成の難しさも感じ取ることができました。
他校の実践を参考にしながら、私の勤務校でも「校則の見直し」を建設的に進めていきたいと思える発表でした。

2日間とも会場の近くのお店でお昼を食べました。
「炙り牛焼肉定食」にハマり、2日とも同じメニューを頼んでしまいました…。ご飯もお替り自由です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?