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0007 アヤックスのクラブフィロソフィー


はじめに


先日、倉本和昌さんのオンラインセミナー「世界トップレベルの育成組織アヤックスに学ぶ選手育成について」を受講しました。
今回は、このセミナーでの学びをアウトプットしていきます。
特に自分の学びとして、

①クラブのフィロソフィーは、チームの行動規範となる
②クラブのミッション・ビジョン・バリューは、迷った時の立ち戻る基準点となる
③指導者が変われば選手が変わる

この3つを中心にまとめてみました。

①クラブのフィロソフィーは、チームの行動規範となる

アヤックスのクラブフィロソフィーは「ミッション=何のためにこのクラブが存在するのか」を起点として以下のように構成されています。

アヤックスらしさ=クラブフィロソフィー(チームの哲学)
・responsibility=自分の振る舞いと成長の責任者になること
・respect=自分自身を大切にすること、環境や他者にリスペクトすること
・winner=常に勝利を渇望し、自分の最大のパフォーマンスを発揮すること
・example=最高のアカデミーの一員として、他者の見本になること
・development=技術、戦術、フィジカル、メンタル面で常に努力し続けること
・discipline=ピッチ内外において規律正しくいること
・enjoy=プレーを楽しむこと
・corporation=チームメイトと共に目標を共有し、その目標達成のためにチームで努力すること
・ambition=トップを目指し続ける野心
・initiative=常に主導権をとること
・creative=クリエイティブな判断と行動

ミッション(=何のためにこのクラブは存在するのか)
・若い選手にチャンスと夢を提供する
・プレーで世界中の人々にインスピレーションと楽しさを与える

ビジョン(=目指すゴールはどこか)
・攻撃的かつ創造的なサッカーで常に勝利を目指す
・世界最高のアカデミーを通じて、CLレベルで”違い”を作れる選手を育成、教育する

コアバリュー(何を大切にしたいのか、価値)
・”最高”であることを追求し続ける
・才能の開花をサポートする
・お互いを高め合う
・リーダーシップを発揮する

このように、クラブの哲学が言語化して整理されており、試合中だけでなく練習メニューまで「フィロソフィーを体現しているか」が基準になるようです。また、オフザピッチでの行動規範ともなるこの「フィロソフィー」は、クラブの経営理念そのものとも言えそうです。

そして、クラブのミッション・ビジョン・バリューは、迷った時の立ち戻る基準点となるのです。

②アヤックスのフットボールバリュー

次に、アヤックスが掲げているフットボールバリュー(=サッカーにおいて大切にしたいこと)について紹介します。
こちらも、以下のように言語化されています。

・私たちは、攻撃的にプレーします
・私たちは、クリエイティブにプレーします
・私たちはが支配します
・私たちは、魅力的なプレーをします
・私たちは、積極的に行動します
・私たちは、インスピレーションを与えます
・私たちは、ダイナミックです
・私たちは、素早く適応します

また、これらのバリューを支えるものとして、3つの要素があるようです。

Ⅰ クライフ・クオリティー
・最高級のボールマスタリー
・1vs1のアビリティ(能力・技能)…CBであってもぶち抜ける!

Ⅱ プレースタイル
・14のプレー原則(攻撃…8、守備…6)
・ストラテジー(戦術・戦略)…ビルドアップ、プレスをどうやるか
・シナリオ(もしこうなったら?)…10vs11、9vs11、11vs10などのシチュエーション
・セットプレー
→これらをすべて知識として学ぶ

Ⅲ ユニークスキル(突き抜けた特徴=CLで違いを発揮できる才能)
・技術
・戦術
・フィジカル
・メンタル

③指導者が変われば選手が変わる(まとめ)

ここまで見ればわかるように、クラブとして大切にしているものが明確であり、チームコンセプトに沿ったトレーニングを行うことで、フィロソフィーの体現につながっていくということが理解できます。
言っていることの一つ一つはシンプルな言葉ですが、言語化し、実践し続けて歴史を築くことは容易なことではありません。
しかし、このような最高のサンプルを学ぶことで、これをフォーマットとして自チームの「フィロソフィー」を思考することができそうです。
オランダの国土は、日本の九州程度の面積であり、人口も日本の9分の1ほどです。そんなオランダが育成大国と言われるのには、地道な努力の裏付けがあるからでしょう。
セミナーの最後に倉本さんが、「僕たちコーチが変われば、選手が、チームが変わる」と仰っていました。この言葉を信じて、自分も頑張ろうと思えた有意義なセミナーでした。

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