ゆず 『二つの言葉』
岩沢さんの究極のラブソングを再発掘してしまい、震えています。
いい。とてもいい！名曲です。
（今までも何回も聴いたことのある曲なのに…今更で、すみません）
2009年発売のアルバム「FURUSATO」に収録されている「二つの言葉」
ゆずの曲。
岩沢厚治 作詞作曲。
この二つの言葉とは何と何？
あくまでも私の解釈と感想です。
（他にも解釈があると思います。）
MVが無いのが残念です。
誰のせいでもない わかってたのに
何故こんなに悲しいんだろう
明日になればまた会えるのに
いきなり、切ない始まりです。
でも、ケンカしたわけでも別れ話があったわけでもなくて。現在進行形の君（恋人）がいるのに悲しいなんて、どうして？
やがて消えてゆく 真夜中の向こう側こうして
君を見てる 全てが空回りなのかなあ
それとも何?
夜、隣でスヤスヤと寝ている君の寝顔を見ながら、色々なことを考えてしまう…。「ただ幸せ」という単純な感じではないようです、この主人公。
こぼれ落ちないように両手で持った言葉二つ
もう、好きすぎる！この表現。
とても大切で、とてもデリケートなもので、この主人公にとって大事な言葉が二つあるのですね。なんて優しい繊細な人なんだ。
こぼれ落ちないように両手で持った言葉二つ
それだけなのにたったそれだけなのに
照れて笑った君を見たら
その瞬間目の前の嘘が一つずつ消える
「それだけなのに たったそれだけなのに」
両手で持ったその言葉（気持ち）だけしか確信できるものはない。反面、その言葉（気持ち）さえあればいい。とも思っていそうです。
わかりにくいけれど、なぜか伝わる。
（岩沢さんの詩の独特の世界観だと思う。）
情景が目に浮かびます。
公園のベンチに座っている二人。君は優しい穏やかな表情で周りの景色を見ている。その君の横顔を見ている主人公。君は見つめられていたことに気がつき、照れたように笑った。という感じでしょうか？
そして主人公、君の前では「素」の自分でいられると、会うたび実感する。
さりげなくでも大げさでもいいさ
始めよう不吉な迷信にだって
最初は戸惑って そのうち壊して君と笑う
読めば読むほど、頼もしい人です。
主人公の懐の大きさ、愛の大きさを感じます。と、同時に「最初は戸惑う事もある」なんて、親近感が湧くし、完璧すぎない所がすごく良い。
愛おしい君と、一緒に歩もうと思っている主人公。「さりげなくでも大げさでもいいから」とどんな形でもいいから、一歩先はどうなるかわからない未来なんだけれども、「さぁ、行くよ」と優しく言ってくれる。
寄り添いながらも勇気も待ち合わせていて、少し前を歩いてくれて引っ張ってくれる。まるでアンパンマン。（同じアルバムに『スーパーマン』というラブソングあり。くー、やるなぁ）
二番になると、君への想いが溢れ出てます。胸が締め付けられますね。君が寂しい思いをしていたことは繋いだ手からちゃんと感じ取ってくれている主人公。そして、これからも辛い事があるかも知れないけれど、一緒に生きていこうと言う主人公。
二つ並んだ影に そっと時が重なる
いいさ わかってるから
君が手のひらで問いかけた その孤独も
目も当てられないような悲しい過去も
最初から決まっていた始まりもまるで
例えばこんな素敵な夜も
生きている今をかみしめて一緒に行こう
終始、愛が深い。
この主人公は全てを受け入れた。今までの良い事も悪い事も、これから起こりうる辛い事も良いことも。一緒に行こうと。
少し話は飛びますが、
「女神降臨」というマンガがあり、心理描写が秀逸でした。内容は、アイドルとして芸能界デビューした彼。その職業柄、彼の迷惑になると思い、彼女は会う事を控えたりする。またアイドルになった彼の方も、一般人の彼女にこれ以上の負担をかけたくない、自分とでは彼女が幸せになれないと思い、本当は好きでたまらないのに別れる事を決める。お互いが相手の事を思うがゆえに逆に上手くいかなくなる。そんなどうにも切ない心理場面が出てくる。
話は曲に戻ります。
この歌詞の主人公も、先程のマンガと同じような境遇であったと思えてしまって。
そして、最後にこう歌います。
そして僕らがやがて杖をついても
変わるはずのない二つの言葉を
いつでも言えたらいいね
その時もこうして君と
君と笑う
もう、プロポーズです。
いやー、この主人公、カッコよすぎませんか？
しかも、大事な言葉を易々と言わないんです。
とても大事だから。
結論
この曲の中の「二つの言葉」は、
一つ目は、主人公から君への「愛してる」
二つ目は、君から主人公への「愛してる」
一つ目はすぐに思いついたのですが、二つ目はなかなか思いつかず、でも、やっとわかりました。不正解かもしれないけれど、これが、私なりの結論です。
初期の頃のインタビューで、「自分の恋愛話はこっぱずしくて書けない」と語っていた岩沢さん。確かに少ない。（『心の音』『からっぽ』あたりがラブソングだと思うけど、『心の音』も本当に私好みのメロディと歌詞で大好きです。）
「二つの言葉」を発表した時は32歳くらいかな。その2年後に結婚。
なるほど。
デビュー後の岩沢さんもそんな感じがあったのではなかろうか。と、どうしても思ってしまう。あくまでも推測です。
実体験を書いているかはわかりませんが、「このような詩を書ける岩沢さんが好きだなぁ」とつくづく思いました。
スローバラードで、曲と歌詞が非常に合っていて、大好きな曲になりました。
岩沢さんの歌詞には、ドキッとする事やハッとする事がよくあって、これ本当に20代前半で書いたの？と思う事が多々あります。
ようは、私は岩沢さんが好きなんですね〜。（わかってたけど）
もちろん、北川さんも好きですよ。
北川さんなくては、ゆずにはなりません。（断言）もちろん、岩沢さんなくてもゆずにはなりません。
長々と語ってしまいました。
こんなに深い愛の歌であることを、今回改めて知り、とても衝撃を受けたので書き記したくなりました。
短い言葉で的確に表現するのってとても難しい。
目標にはまだまだ届かず、ですが、がんばります。
ここまでお付き合いいただき、お読みいただきありがとうございました。