【#02広島県3/9】イノベーションの最前線 広島のスタートアップ報告レポート
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HIROSHIMA UNICORN 10とは
広島県が展開する「ひろしまユニコーン10」プロジェクトは、10年間で10社のユニコーン企業を創出することを目標に掲げています。このプロジェクトは、東京一極集中の流れを変えることを目指し、広島から世界に羽ばたくスタートアップ企業を支援することで「挑戦が当たり前となる文化・土壌」を形成することを目的としています。プロジェクトでは、広島県内外および海外からスタートアップ企業を集積し、成長フェーズに応じた支援を行っています。フォースタートアップスが事業受託者として、経験豊富なメンター陣とともに、ユニコーン企業を目指す広島県のスタートアップ企業の成長支援を展開しています。
HIROSHIMA UNICORN 10の支援内容
・ハンズオンメンタリング:国内有力VC・アクセラレーターを各採択者への担当としてアサイン
・スポットメンタリン:国内トップVCや、国内トップアクセラレーター、起業家等からのメンタリング機会を採択企業の希望に合わせて月次で提供
・事務局面:事務局による月次での面談を実施し、本プログラム期間中発生するさまざまな事案について各種サポート
・勉強会やイベントの実施
採択企業4社の実施報告レポート
株式会社AZOO
中小ホテル運営に必要な機能を一つのシステムで提供し、ホテル運営の自動化・効率化と売上向上を実現するためのプラットフォームホテルシステムWASIMILを運営。
●応募理由
ホテルDXシステムWASIMIL(ワシミル)の開発・販売を行っており、ホテル・旅館の予約取得管理、宿泊管理、BI、CRM・マーケティングまでを一体型で提供することで、ホテルDXによる生産性向上をサポートするシステムの実用化を目的として応募。
●実施概要と成果
広島県と連携し、県内宿泊者のデータ収集を実施。広島県からメンター支援を受けながら、生産性向上の検証を行った。Wasimilを活用することで、ホテル業界のDXが促進され、生産性向上が実現できることが確認できた。
また、宿泊者のデータを活用して、パーソナライズされたサービスやプロモーションの提供が容易になり、顧客満足度の向上につながった。
●今後のアクション
ホテル管理システム(PMS)において、宿泊予約システム、CRMマーケティング、BI分析レポートなどのさらなる機能の充実を目指す。さらに顧客データをもとに、各顧客に適切なプロモーションやサービスを提供し、リピーターの創出や顧客ロイヤリティの向上により、業務の効率化や売上向上、ホテルの競争力の強化を支援していく。
株式会社アルファフェニックス
プレジャーボートに関する施設やアクティビティ情報を提供し、ユーザー同士で情報共有や交流ができる無料のマップアプリ「ankaa map」を運営
●応募理由
海遊び、ボート遊びの情報共有アプリ”ankaa map”を運営。プレジャーボートの適切な管理を行い安心できるクルージング環境を提供し、係留場所を中心とした持続可能な活性化を目指す。広島県の実証実験に参加することで、自社製品やサービスの実績を上げ、社会に浸透させることができると考えたため応募。
●実施概要と成果
アプリ上で、過去の海難事故や危険な箇所の情報を直感的に理解できる形で表示。安全な航行をサポートする機能とともに、係留場所のレンタルや飲食店、観光施設などの予約を容易に行える機能も、実証実験のデータを基に実装した。
実証実験を通して、係留場所を予約する際に、ユーザーの旅行計画や航行条件に適した場所を見つけるための支援機能や係留場所の増加が必要であることを把握した。
●今後のアクション
今後安心して係留できる仕組み「annkaブイ事業」に取り組み、市場規模が66億円の広島県を出発点に、全国に事業を拡大し、800億円の市場を獲得することを目標とする。そのためには、地域との緊密な連携や自治体とのパートナーシップが不可欠である。さらに、自治体や関係機関との連携を強化し、係留場所の拡大を図ることで、市場規模を1600億円にまで拡大することを目指す。
株式会社エクレクト
シンプルで拡張性の高いZendeskを中心に、顧客対応のプラットフォーム構築/運用、データ活用、AI導入、業務効率化を含む幅広いCXソリューションを提供
●応募理由
海外・首都圏の先端技術や人材開発メソッドを組合せたビジネスモデルで、企業のDX(CX/EX向上)を推進する。実証実験に参加することで、ひろしま―首都圏―世界を繋ぐ人と技術とビジネスの循環型エコシステムの実現が可能であると考えたため。
●実施概要及び成果
実証実験により、自社サービスの導入で効率的な顧客対応が実現し顧客満足度アンケート取得が容易になった。これにより迅速な対応と業務効率の向上が実現できた。
●今後のアクション
実証実験の成果を受け、今後も広島県と連携し、より一層の顧客満足度向上に努めるとともに、業務効率化を追求していく予定。
株式会社ミカタ
少ロット対応の地球に優しい化粧品原料やパッケージのサプライヤーを提供し、クリーンビューティ製品開発をサポートするオンライン調達サービス「teles」を運営
●応募理由
売店の販売ポリシー、非営利団体の認証、環境負荷など複数の基準を満たすサプライヤーを発見、取引コストを大幅に下げ、メーカーのサステイナブルシフトを支えている。実証実験に参加することでサービスをよりブラッシュアップできると考えたため。
●実施概要及び成果
製品の素材やパッケージをサステナブル化する動きが加速。政府働きかけや環境意識の高まりが要因で、70%以上の企業が取り入れたい意向。だが、中小企業では進みづらく、小ロット発注の受け入れ難や認証ポリシー適用の時間要因が問題となっている。問題は、自社サービスを通じて解決できることが確認されている。
●今後のアクション
2兆8000億円という巨大なサステナブル化粧品市場に目を向ける一方で、誰もが手軽にサステナブルな化粧品を作成し、享受できる世界の実現を目指す。このビジョンを達成するためには、さらなる努力と研究が重要であり、より多くの方々に環境に優しい選択肢を提供できるよう邁進する。
まとめ
広島県の強みは首都圏から近く、学術機関が多数存在することから、高いレベルの人材を獲得することができる点などが挙げられます。美しい自然環境に囲まれた地域であり働きやすい環境が整っている点など、これらすべてが、スタートアップにとって魅力的な拠点となる理由であると感じました。
またHIROSHIMA UNICORN 10では、広島の地理的メリットを活用した多くの企業が参加しており、広島県の丁寧なサポートにより起業家やスタートアップに対して、成功への道筋を提供してうまく提供していると感じました。今後、これらの企業が広島県や地域の発展に貢献することで、経済や雇用の創出が促進され、地域全体の活性化につながると期待されます。
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