ヨーロッパでの女性の活躍について思うこと
現在はヨーロッパに駐在しており、小さな会社に出向しております。そのなかで私のいる部署は全部で7名、男性・女性の比率は半々です。ところで、最近、部下が体調を崩して長期療養に入り、また、別の部下が産休を取るというので、今後の体制について考えていました。ところが、その部下が産休から復帰した後は週3日の勤務にしたいと言ってきました。7人の小さな部なのに、1人は長期離脱、1人は週3日勤務では業務は回らないので、追加で一人雇う必要が出てきました。予算的には相当厳しいです。なんせ小さい会社で、このご時世、売り上げは伸びず四苦八苦しているところに、一人追加しなければいけないなんて。
産休に入る女性にはもちろん、笑顔で了解し、一人雇う準備を始めました。現地の関係者とどういう人物(スキルや経験、学歴など)を話したあと、皆が言っていたのは「男性がいいよねえ」ということ。当たり前じゃん。だって若い女性雇ったとして、産休に入られたり、小さな子供がいて頻繁に休まれたら仕事が回らなくなるし、他の部署や取引先にすっごく迷惑だし。病気や休暇は当然取得するとしても、部署の責任持つ者としては、少しでも安定して運営させようと考えるのは責任者として当然のことです。
ところで、今日、「女性の社会進出」妨害する日本の悪習の正体」(東洋経済)の記事を見ました。そのにこのようなものがありました。
その女性本人がどれだけ優秀だったとしても、会社側からすれば「子どもが熱を出すたびに休むのではないか」「早い時間に帰らないといけないのではないか」という不安から、男性の選考対象者のほうが条件的に有利になると言わざるを得ない、というのだ。
当たり前だって!!大企業なら人員数が多いので、欠員がいても皆でカバーできるけど、中小企業は難しいって。それって日本でもヨーロッパでも同じだって!!日本だけじゃないって!!むしろ、女性の社会進出している国の中小企業の方が大変ですって。この人、編集長なんかはヨーロッパの中小企業の状況をどこまで知っているのか、ちゃんと取材してるのか疑問です。
ところで、女性の進出って言う点では実は東南アジアも進んでいると思います。特にフィリピンの女性の活躍は目を見張るものがあると思います。以前、フィリピンの子会社に出張した時期がありましたが、経理の部署5人は全員女性でした。これは優秀だから女性になったというもので、偏見で選ばれたものではないです。一方の男は運転手かガードマンか、昼から何もしないか(これは偏見ではなく私見です)。フィリピン女性は、子供が生まれると親(子供の祖母)に子供を預けて働くケースが多いです。そうしないと食べていけないし、ある女性のケースは子供ができた後に夫が行方をくらませるケースもあるそうです。そういう女性はしたたかでタフですし、簡単には休まないです(私の経験上)。
ちょっと話が逸れましたが、確かに欧米は女性の社会進出や管理職、経営者や首相がいますが、相当余裕がないと難しいというのが現地にいて思うことです。だって、まずは会社が存続することが前提ですよ。会社が食うや食わずの状況で、女性の活用がなってない、なんてそんなん言うてる場合やないやん。
大企業や公務員など、余裕があって制度が整っている組織は良いです。なのに、女性活用が進んでいない日本社会は悪だ!という記事や報道を見ると残念な気持ちになります。そんな無責任なこと言うなよ~って。やれればやってるって、って言うのが本音です。それを言うと「経営の問題」と言われそうですが。
余談ですが、日本って、益々意見を言いにくい社会になっていくような気がします。ジェンダーフリーを掲げる人って、イスラム圏でそういうこと言ってきてほしいなって思いますが(冗談です)。