ミーターの大冒険 エピローグ 18 「ルイス・ピレンヌの銅像の下で」
18 ハニス君、残念ながら、私個人では銀河百科辞典編纂図書館のイルミネーショナー化の完成は、諦めらめるしかなくなったようだ。
昨日持病の心臓発作が悪化した。薬は、もう効かなくなってる。すまんが、アルカディアやミーターとの約束も果たせないようだ。この前の選挙で、「ターミナス第一」の圧勝のせいで、それまで一般図書館利用者を装って、内部システムの改善作業を続けて来たが、それが急に頓挫してしまった。当局の知られるところとなってしまったのだよ。とくに市長の側近のリオノ・コデルは私をアルカディアの身内であると見破ったんだ。当然の如く、彼らの反抗分子は、駆逐される。
ところが、幸いにも、君も知っている、あのルイス・コンパーの息子が辞典広場のルイス・ピレンヌ博士の銅像の下で倒れていた私を拾いあげて救ってくれた。
彼は銀河の遥か反対側から最近やって来て、ターミナスとの同盟関係のつてを使って、図書館員として採用されたらしい。
ところが私の感じでは、彼には妙な一般人にない特殊な能力があって、回りの人たちをコントロールする力があるみたいなんだよ。
その彼に、私の代わりに、その仕事を完成してもらいたいと申し出たら、驚くことに彼は難なくそれを快諾してくれたのだよ。奇妙な出来事のようにも思うのだがね。
この手紙が君に届く頃には、もう私はこの地上では息をしていないと思うが、少しだけ、彼の話が、驚きであった理由を君に伝えたいと思うのだが、おそらく直接話が出来ないことを残念に思う。
https://youtu.be/lvwVpe2NGd8
yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 18 「 ルイス・ピレンヌの銅像の下で 」
写真は、あるヨーロッパの像、ルイス・ピレンヌのようにも見えた、理由から。借用させてもらいました。
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