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ミーターの大冒険 エピローグ 第18話 ルイス・ピレンヌの銅像の下で

ミーターの大冒険 エピローグ 第18話 「ルイス・ピレンヌの銅像の下で」

あらすじ

アルカディアが81歳で亡くなった。
 
 ハニスの直感とミーターの柔軟性のある論理思考が冴え渡る。「微細心理歴史学」、「極素輻射体」、「ロボット第零法則」の真実理解までも到達した。後は、オリンサス・ダムの図書館改造とファー・スター号の改造を待つだけ。
 
 ハニスは、いよいよ銀河復興への第一歩が胎動して来たとの予感を感じるのであった。それはドースの盟主の思惑なのであろうか、ハニスに戦慄がはしる。彼は今や、通常人間の世界には許されてない限界点を超えようとしている。
 ハニスは、イオス星でドース・ヴェナビリに会い、続いて、かつて天の川銀河の中央、中心都市、トランターに降り立った。果たして、彼ら(第2ファウンデーション)の感応能力によって、ハニスへの干渉のボーダーラインは、どの地点に設定されたのであろうか?ハニスの記憶はどこまで、どのように保持されるのであろうか?ハニスはアルカディアに続いて、単独人としてのボーダーラインに立っている。
 
 ついにハニスは、第2ファウンデーションの第一発言者に会った。壮大な宇宙史が解き明かされて圧倒される。そこでハニスの探索は終わる。暗示されていた「反ミュール」には遭遇能わず。しかしハニスはこの成功をミーターへの土産としてターミナスに凱旋した。
 ジスカルド・レベントルフ、ダニール・オリヴォー、そしてミーター・マロウ(ダレル)。第零の法則を遵守するロボットたちの活躍を思って、ハニスは、自分の命を、ミーターに捧げる決意をする。それは、第零の法則を信奉する人間を造り出す道に進むことだと悟ったのである。人間が、新しい銀河をつくらねばならないからである。ミーターは、そのハニスの志しを心からありたがるのであった。
 ハニスは第2ファウンデーションが「反ミュール」との共鳴を受容しつつ、銀河の再興の時を予見しているのを確認して来た。あとの課題は、第一ファウンデーション(ターミナス)の方向性だけだ。
 ハニスは政治家を目指す。しかし、これが熾烈な難問になる。政府当局が彼ら3人組に気がつきはじめて来たからだ。
 ハニスが主導する「銀河再生党」はハーラ・ブラノ率いる「ターミナス第一」に惨敗した。ミーターとアルカディアを模したチクタク(単純型ロボット)を駆使して、アルカディアの人気を裏手に使った。
 そこでハニスはミーターからの進言で、イフニアへの遷都案を決意するが、...
 一方、オリンサス・ダムは、持病の心臓病が悪化する。3人組の運命や如何に?

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(全文 オリンサス・ダムのコンパーを通してのハニス、ミーターへの走り書き)

ハニス君、残念ながら、私個人では銀河百科辞典編纂図書館のイルミネーショナー化の完成は、諦めらめるしかなくなったようだ。
 昨日持病の心臓発作が悪化した。薬は、もう効かなくなってる。すまんが、アルカディアやミーターとの約束も果たせないようだ。この前の選挙で、「ターミナス第一」の圧勝のせいで、それまで一般図書館利用者を装って、内部システムの改善作業を続けて来たが、それが急に頓挫してしまった。当局の知られるところとなってしまったのだよ。とくに市長の側近のリオノ・コデルは私をアルカディアの身内であると見破ったんだ。当然の如く、彼らの反抗分子は、駆逐される。
 ところが、幸いにも、君も知っている、あのルイス・コンパーの息子が辞典広場のルイス・ピレンヌ博士の銅像の下で倒れていた私を拾いあげて救ってくれた。
 彼は銀河の遥か反対側から最近やって来て、ターミナスとの同盟関係のつてを使って、図書館員として採用されたらしい。
 ところが私の感じでは、彼には妙な一般人にない特殊な能力があって、回りの人たちをコントロールする力があるみたいなんだよ。
 その彼に、私の代わりに、その仕事を完成してもらいたいと申し出たら、驚くことに彼は難なくそれを快諾してくれたのだよ。奇妙な出来事のようにも思うのだがね。
 この手紙が君に届く頃には、もう私はこの地上では息をしていないと思うが、少しだけ、彼の話が、驚きであった理由を君に伝えたいと思うのだが、おそらく直接話が出来ないことを残念に思う。

https://youtu.be/lvwVpe2NGd8

Joaquim António de Aguiar(1792~1874 ポルトガル コインブラ)の像
本文のルイス・ピレンヌのように見えたので、借用させて頂きました。

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