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ミーターの大冒険 第八部 地球 第6話 融合

177第6話融合
ミーターの大冒険
第八部
地球
第6話

融合

あらすじ

ファウンデーション暦492年(西暦25059年)末、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はアルファ星から出発して太陽系に入った。

人類の故郷の星系。懐かしい星、地球。
 
 かつて、カビレ星系と言われていた太陽系。かつてアタカナと言われていた地球。

R・ミーター・マロウの主人アルカディアの志しを携えて、アルカディアや同士ジスカルド・ハニスらのなし得なかった志しの実現の領域に確実に入ろうとしていた。

はたして地球の放射能汚染を除去することができるのか?

そしていよいよ太陽系外縁部のオールトの雲を抜けて待望した太陽系に突入して行く。
 
 鋭さを増したミーターの推理力は予測通りに土星に遭遇させ、地球のかたわれともいわれる月に不死の従僕の気配を感じさせる。

そしてついに不死の従僕が太陽系第3惑星地球の大きな衛星、その名も月(Luna )にいることを確信する。

新たな天体物理学者のミーターは、不死の従僕が月にいる理由を全て「宇宙潮流」理論で纏めあげる。

そしてミーターは人類と「宇宙潮流」との関わりについて惑星環境の土壌「墾化」現象に言及する。

ところが、ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は月の軌道目掛けて一直線のコースをとろうとしたところ、手前の火星地表で有機体とロボット(通常のロボットの反応とは違う)の存在をキャッチした。

ミーターの直感は火星に着陸する選択をする。

直感は当たった。
 ダニール・オリヴォーがいたのであった。あのアルカディアの念願であった、アルカディアに成り代わってミーター・マロウが不死の従僕に会えたのであった。

ダニールに誘導されたミーターは、ダニールの月基地に、水の大貯蔵タンクを見せられる。

ミーターはほぼ単独でオーストラリアのウェルスクリークに降り立つ。ほかにダニールの助手ペイリー・リャンとR・オーロラ・ルナセントが同行したが、彼らの地上での行動は、ミーターを除いて、2時間と制限されていた。

イルミナのリードによって北上したアース・オービターは、無事にニフのフニ山頂上に着いた。

案の定、双子座流星群は降ってきた。この年は例年とは違い、幸運にも何ヵ月も継続した。

流星群は成層圏に拡散している特殊水蒸気の雲に注ぎ、水蒸気を雨化させ、地上に雨を降らせ始めた。

ミーターは、北アメリカ大陸の頂き、南アメリカの頂きを踏破し、残るはアフリカ大陸、ユーラシア大陸のみとなった。

その間にイルミナは、アルファのモノリーさんのお土産である粉末の分析が完了していた。

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ミーター どうだった、その粉末の正体は?

イルミナ ミーターさん、素晴らしい贈り物ですよ。驚いたわ!
 植物の種のナノタイプですよ。細かい粒ですから、驚くべき量になりますよ。
 
 しかも、2万年前の地球上に繁茂していたと思われる種のおおよそ全種類よ!

それに、2万年前の地球上の植生の地域別の全種よ。海の中、海の底までの。

珊瑚礁に生きる植物、マングローブ各種、砂漠化を食い止める緑化に効果的なマメ科の植物など数え上げたらきりがないくらいよ。

それにそれに、本来20年で成長するはずの植物がわずか2年で成長し、2年経つと平常に戻るように遺伝子が再構成されているわ。

ミーター ほんとかよ!アルファのバイオテクノロジーってそんなに凄いんだ。それにアルファ人にしては破格な親切!

イルミナ 一見、アルファは孤立主義で排他的だと思われますが、それは違うわよ。
 地球から出て行ったところは、だいたいコンポレロンまでの星間はスペーサーの勢力範囲だったんですから。
 アルファ人たちは、汚染されつつある地球に最後まで留まって放射能除去に励んだの。
 それで様々な放射能除去のテクノロジーを蓄積してこられたと考えるのが自然ですよ。

ミーター 分かるよ。よ~く理解できる。
 本来なら、地球の放射能からの回復の栄誉はアルファ人に帰するべきだ。
 感謝してます、モノリー先生!

イルミナ そうですね。それに地球回復の栄誉は、アルカディアさんが、言われていた通りに、四つのグループの強い絆のせいだということですね!
 それにスミルナやシウェナのアグロフォレストリーの伝統も忘れてはならないわねぇ!

ミーター む、その通りだ。四つのグループの融合の成果だな!第1ファウンデーション、第2ファウンデーション、ガイアと反ミュールの勢力、そして、俺とイルミナをここまで導いてくれたハニスさんをはじめ、数多くの人々、第零法則のロボットさんたちとの融合の結果だ!

イルミナ ミーターさんたら、とてもロマンチックなもの言いですこと。

ミーター 言い過ぎかな?

ミーターが地球に到達する以前はこんな気象が常態であった。

イルミナ いいえ、もうすぐ、銀河の夜明けが迫ってきていますから、もう少しの辛抱ですよ。
 ミーターさん、あとボルネオ島のキナバル、ユーラシア大陸の高嶺、アフリカ大陸のキリマンジャロが残っています。
 もう少しですよ。

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