ミーターの大冒険 第三部 コンポレロンへ 第7話 グレディア
109第7話ミーターの大冒険 第三部 コンポレロンへ 第7話 「グレディア」
お招きの言葉
わたしYi Yinのサイエンス・フィクションはアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズをほぼ下敷きとして哲学者ノース・ホワイトヘッドの「移動と新しさ」の哲学に貫かれている。
あらすじ
ミーターは亡きアルカディアの遺志通りアタカナ探索にターミナスに旅立った。傍らには、不思議な自らをイルミナと名乗る「銀河帝国辞書編纂図書館」のバーチャル・コントロールが同乗していて、ミーターの話し相手になっていた。二人を乗せたファー・スター2世号は順調に加速を上げた。
しかし、目指す禁断の天体オーロラに辿り着くルートが見つからない。ミーターは、その情報をコンポレロンで手にはいるとふんだ。
進路をコンポレロンにとった時、ジスカルド・ハニスからハイパー・ウェーブ通信が入った。
二人の若いターミナス人が「別動隊」の候補者として名前があがった。
アルカディアのラヴェンダー農園のはじまりの母系先祖の「グレディア」のことに話題が及び、ミーターは何かの記憶を呼び覚ます。
ここの実体ではないが投影していて同乗しているイルミナの存在をユックリと彼女自身に説明して行く。イルミナこそアルカディアの悲願であり、ハリ・セルダン、ガール・ドーニック、そしてボー・アルーリン由来の悲願の結晶であった、ということを。
ミーターは、オリンサス・バーが帝国辞書編纂図書館の広場に立つルイス・ピレンヌ像について何かの秘密を探っていたことをイルミナに解き明かす。それはオリンサスがかつてコンポレロンの友達から聞かされていたということであった。ルイス・ピレンヌ像には何が隠されていたのであろうか?
怪しげなコンポレロンの友人?そしてムン・イ・コンパー。謎のコンポレロン繋がり。その真相究明はいかに?
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ミーター ハーディンは、ルイス・ピレンヌをターミナスの偉人として、ハリ・セルダンの忠実な後継者として、ピレンヌの死後、モーヴの市民が後の時代まで、言うなれば、この銀河の復興の時が来るまで、なんども繰り返し思い起こすべき精神の記憶として彼の銅像を図書館広場に立てたんだ。みんな、ハーディンの巧妙な目論見の遺産なんだ。
ハーディンの二番目の娘をドーニック家の養子にもらい受けたのが、ガール・ドーニックの娘ドース。ハーディンの娘の名前はグレディア。なぜ彼女が、紫色に光るラベンダー農園を始めたか。このことについては、信じられないような経緯(いきさつ)から来ている。
イルミナ ミーターさん、そのグレディアさんとオリンサスさんとどういう関係があるっていうの?それと、「故郷の星アタカナ」や「銀河復興」と何の関係があるっていうの?全く謎なんだから。
ミーター イルミナ、言っておくがな、俺って単なる「翻訳・通訳ロボット」じゃないんだからな、天下逸品の謎解きロボットだからな、覚えておくんだ。それにアルカディアのお墨付きもある。自称、『児童のための知恵の書』に出てくる故郷の星にいた謎解きの達人シャーロック・ホームズの三代目なんだぞ。
イルミナ なによ、大げさで仰々しいこと。ハイハイ、承っておりますので、ユックリ説明してくださいね。お願いしますわ。
ミーター 実は、そのルイス・ピレンヌの銅像こそ、秘密の扉だったんだ。オリンサスさんは、それを突き止めようとしていた。その糸口が、コンポレロンの友人からの話。そしてなんどもその場所を調査し、そこからついにその鍵を見つけた。
ビックリするなよ。それがお前と深い関係がある。
イルミナ えっ!私と。
ミーター ルイス・ピレンヌと言えば、ファウンデーション帝国辞典編纂図書館の象徴。言うなれば、今のお前そのものなんだからな。これからユックリ話す。
イルミナ えっ!!
yatcha john s.
Photo アシモフは絶えず「頭脳を使って知ることは大事。しかしもっと優れている人間の能力は、それ以前に不思議と感じること、そして驚きを感じること」と諭していました。
それゆえYi Yinは言います。皆さん、この謎解きに参加してください。