ミーターの大冒険 コンポレロン 1 「紫の夜を超えて」
1 さっき、オリンサスさんが若いとき、コンポレロンの友人からそれとの接触技術を教わった、という話しをしたよな。
ちゃんと覚えていますよ。宇宙構成の三要素との接触ということね。
グレディアはたしか、55年生まれだ。「銀河百科辞典」の第一巻が発行された記念のときだ。グレディアといえば、ラヴェンダー畑。別名、「別紫蘇」。我らの誇りの象徴だ。のちにポニェッツによって、そのダーク・マターとの接触によってその浄化作用が強化されたと理解できる。
俺はそのエキスがアルカディア農園から、イオスに運ばれたのを、この目でしっかりと覚えている。
その別紫蘇は、どのように、ターミナスに移植されたか、知ってるか?
ミーター、知ってるわよ。あのベリスさんが、ジンジャーの花を髪に刺して「黒い涙の太陽」の像に会いに行ったんですよね。
そうだ。そのことが、ずっとのちにターミナスが、トランター帝国に発見認可されるきっかけだったかも知れない。
まあ、そんな以前から、ニフ人(シンナックス人)たちは、後世ターミナスの重要性を判子を押すように後のファウンデーションの人たちに極めて重要なことを伝えていたのね。それからニフ人たちは故郷に帰って行ったのね。
いいや、違うね。彼らの目論見は、その逆だね。ターミナスがこの天の川銀河の最果てにあることからして、ターミナスに記念像をただ一人の人間に示したかったと思う。それからまた彼らは新たな冒険の旅を続けていった。銀河を離れて、外宇宙へとね。
たしかに、ミーター、言われてみれば道理ね。ベリスが、行った次の日にはその像はすっからかんと消えていたんですからね。
話しを戻すとだね、いいかい、もっと驚くことがある。ピレンヌの像は、「辞典広場」に建ってる、その隣が広大なドーニック公園の敷地だね。
ということは、ですね! ミーター、あなたは、あのガールが、ウォンダの妹のベリスに、ガールがウォンダから頼まれたペンダントを渡した場所が、あとで、ピレンヌの像が建った地点だと言うのね!
お見事、イルミナ!しかもだね、アルーリンの職務室は何処だったか、お前なら推測できるね?
ええと、ええ、まさかピレンヌの像っていうのね!
ここまでくれば、この大探索と銀河復興に、お前が抜擢された理由がわかるというものだね。
その立体構造が、トランターの中心部と呼応している極素輻射体の照射拡張装置そのものなんだととしか思えない。
そして、ねえ、その極素輻射体の照射の果てにこの銀河の反対側に、目指すアタカナがある。
そして、ねえ、イルミナ、もうそろそろ、このファー・スター2世号は、コンポレロン星域に着く頃じゃないのかい?
まあ、「ギリギリを潜り抜けてっていう、特別な惑星、紫色の夜を超えて」っていう!
https://youtu.be/nqjkgsRD7Sw
yatcha john s. 『ミーターの大冒険』 コンポレロン 1 「紫色の夜を超えて」
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