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50 Planets

割引あり

『50 Planets』

ミーターの大冒険
第七部
オーロラ 後編

第11話~第15話

目次


前編
第1話 ポール・シフト
第2話 文明の死滅
第3話 オーロラの極光
第4話 スペーサーのオーロラ
第5話 バリーとダニー(いわゆるイライジャ・ベイリーとR・ダニール・オリヴォー)

中編
第6話 アンテンニンの庭園
第7話 廃墟のエオス郊外
第8話 アンテンニン庭園の洞窟
第9話 アルティメット宇宙空港の怪
第10話 Green  夢に向かって

惑星オーロラはオリオン座付近にあると言われている。
惑星オーロラのオーロラ

後編
第11話 ガンマ放射線の意味
第12話 ジスカルドの遺産
第13話 メンタル・フリーズ・アウト
第14話 社会学者ロイ・ネメヌウ・サートン
第15話 50 Planets

前部までのあらすじ

 ミーターとイルミナを乗せたファー・スター2世号は、ターミナスの図書館と18000年前の航海日誌にない謎の天体に遭遇する。
 そのとき、突如その天体から通信応答を求めて来た。

ファー・スター2世号の雄姿


 それは、ガイアの長老ドムからであった。彼の自己紹介は「わたし/わたしたち/ガイア」であった。ミーターはあらかじめおおよそのことは了解していたように質問していった。
 ドムは、二人が求めている故郷の星の正確な名前が「地球」であることを明かす。
 ドムは、ミーターがダニール・オリヴォーの地球探索の際に、「時間をも感応できるようになった」という表現にさらなる詳細を聞きたいことを察知して陳述を続ける。
 人類の歴史消滅がこの時点から歴史復活のフェーズに転換した、と理解してもよい。
 
 余談ですが、少しだけYin Yi の独断的ナショナリズムを述べさせてください。ドムのガイアの女性の立場の重視は、キナの太古の歴史書『魏志倭人伝』の邪馬台国の卑弥呼由縁であることを示唆しているように聞こえる。日本の古代の『古事記』や『日本書紀』に出てきます主神は、「アマテラスオオミカミ」という女性の太陽神でありました。

ガイアの誘導で、ファー・スター2世号はオーロラの恒星系に無事にたどり着くのであったが、イルミナはガイアの地表に降り立つことができなかったことに少し不満を洩らす。

「オーロラ前編のあらすじ」
 
 二人の目の前には、オーロラの揺らめく極光が怪しく波打っていた。

 イルミナはミーターに促されて、オーロラの基本情報を語る。ミーターは待ってましたとばかり、自説を展開する。

 イルミナは、膨大なデータを何億回も検索して、様々な手法を試し、ミーターとの会話からもヒントを得て、手がかりを抽出する。それが、アンテンニン庭園であった。
 

「オーロラ中篇のあらすじ」

 イルミナのオーロラ探索によればオーロラに生息する生物はイヌが主に支配しているというものであった。それは外来者にとってとても友好的な存在とは言いがたいものであった。
 ミーターは惑星イオスでレオナルド・エンノビアレッラから教わった惑星イオスの温泉の天井画の名前を思い出す。
 『アンテンニン山地の裾野に広がるルピナス園』。

アンテンニン山地の裾野に広がるルピナス園


 これをヒントに今も生態系は変わらないことを期待して、そしてついにその絵画とそっくりの光景を目撃し、停止状態のままのジスカルド・レヴェントロフが据えられている洞窟内に行き着く。
 ミーターは、イルミナとの共時関係に助けられながら、ジスカルド・レヴェントロフの実像を発見し、彼が産み出したロボット第零の法則とアルカディア家に伝わってきた呪文(第零の法則の付則)が刻まれた台座に驚きを隠さなかった。

オーロラ後編 『50 Planets 』

第1話 ガンマ線放射の意味

カンブリア紀の生物多様化暴発

ミーター イルミナ、ここにハニスさんがいたならなあ!俺、今、なにかに気がついたんだよ!

イルミナ なんでしょうか?秘密を抉じ開ける達人、アルケミスト様?その心は?

ミーター イルミナ、よく聞いてくれた。今では自明の理となってる「雷放電から生命発生の原理」が説明されているよな!
 よく嵐の前兆として雷雲の発生を言うという、あれだよ!

イルミナ ミーターさん、一見、ガンマ線放射は生命を脅かす危険な現象と考えられておりますわねぇ。
 そうすると「対消滅」は時間的逆行を惹き起こす現象でもあり得る、ってことでしょうか。

ミーター まさに、お前の表現が的確だ!このジスカルドさんは、死んでいるようで、まるで命の本質を我らに語っている。
 例えば、ガイアの存在意味なんかもそうかも知れないな。

イルミナ どういうこと? ミュールのことですか?

ミーター イルミナ、ドンピシャだよ!袋小路にぶつかると時間を逆行させて原点に戻って、再度の挑戦をさせる、っていうあれだよ!

イルミナ お褒めくださり、光栄だわ!これで一緒に付いて来られた意味もあるってことですか、ミーター会長!

ミーター 調子にのるな。

イルミナ ごめんなさい。私は、地球が放射能に覆われていることや、ガイアからニュールが誕生したのも、人類にしばしば異常、異物が生じるのも同じ原理なんじゃないかと、言いたかっただけなんです。

ミーター その通りだ。例の不死の従僕さんは、実際、我らにジスカルドの実態を、ここに展示して、我らにこれを見させ、命の根源について教えたかったんだと思う。
 かつて、アルカディアは、瞑想中、呟いていたことがあった、「不死の従僕さん、あなたは放射能の混沌の中で、時間を飛び越えて、命をみたんですね」と。

イルミナ ミーターさん。もしかしたら、不死様は、地球の近くで、わたしたちを待っていてくださるのかしら!

ミーター そうかも知れないな、イルミナ!このオーロラも今ではこのように荒廃している。
 しかしここの洞窟内には輝ける未来が開けているような気配が満ち満ちてる。まるで命の爆発を今か今かと待ってるように、な!

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