見出し画像

ファウンデーションの夢 前史

 前史 1

 
 物語部(ものがたりべ)としては完璧に失格でありますけれど、FB という特殊な形態で投稿していたという制限を思うと、少しばかり「前史」と第一部の「あらすじ」は読者が、読み続けていくにあたって時々、合点することに多少の利便となるとのサジェスチョンに甘んじて受け入れることにいたします。

 西歴3704年、オーロラのあるロボット科学者の陰謀によって、地球に放射能の汚染の危機が差し迫ったとき、ジスカルド・レヴェントロフは盟友ダニール・オリヴォーに危機回避の操作が十分可能であったにもかかわらず、それを差し止める提案をし、ダニールは苦慮の結果、それに従う選択をするに至ります。
 それは、ジスカルドのロボット第零の法則が初めて、ロボット三原則にまさった瞬間でもありました。ジスカルドはその行為の当然の反応として機能停止に陥ることとなります。同時にレヴェントロフは彼の機能停止の直前、彼自身持っていた精神感能力をダニールに附与します。
 その理由、目的はひとえに、人類が自立し揺りかごの地球を敢えて捨てる覚悟を提供することでありました。
 それから怒濤のごとき本格的宇宙移民の時代を迎え、幾世紀もしないで銀河の果てに至る住居可能な星々に移民が到達して行った。

「私のファウンデーションの夢」シリーズに頻繁に出てまいりますヤマブキの木花は、ダニール・オリヴォーが地球の探索で再発見した地球のある列島に太古住んでいた貧しいながらも気品のあった紅皿という娘の魂と時空を超えて溶け合ったという出来事がこの物語のもう一つの伏線となっています。

ここから先は

4,020字 / 5画像

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?