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ミーターの大冒険 第二部 イルミナ 第10話 ジョン・ナック 宇宙潮流

102ミーターの大冒険 第二部 イルミナ 第10話 「ジョン・ナック 宇宙潮流」

あらすじ

ミーターの体は4年間で完全に復旧し、無事に同じく修理されたファー・スター2世号に戻された。
 イルミナは当然無事だった。彼女の本体は、ターミナスの帝国辞書編纂図書館の地下からのコントロールなので、受動機さえあれば、どこにでも移送されるからだ。
 
 場面は、ミーターを乗せたファー・スター2世号のなか。シンナ星に軌道上にいて、時にミーターは地表探索を重ねる。再度の銀河横断に対しての並々ならぬ決意が滲み出ている。
 シンナ星から見上げる眩(まばゆ)い極光になにかしらの兆(きざ)しを感じるミーターだった。
 ただ時たまイルミナのちょっかいが耳障りだが、それでも面白いと感じる。
 イルミナのアンソーアについての感想が際立つ。
 ミーターは、それでも「音痴」という言葉から何かに気がつく。
 ミーターはイルミナにオーロラへの進路を指示するが、禁断の星オーロラの位置がわからない。そこでミーターは、アルカディアの『続・追憶の鍵を開けて』の内容を思い出し、カルガンに行くことを思いつく。
 ファー・スター2世号は発進し、プラズマエンジンを加速させ、宇宙潮流に沿ってアクチュエル・フォースを吸い込み、光速近くに達する。

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イルミナ ミーターさん、驚いたわ、ファー・スター2世号は、新たなジャンプを繰り返す度に、もう一つのアクチュアル・フォース(actual force ) を見つけて、それらと摂取、融合して、枯渇したプラズマ・エネルギーを再生しながら飛び続けているわ。

ミーター えへん、それが、ファー・スター2世号の独自で、優秀たる所以さ。これだけは、オリンサスさんの独創性なのさ。「宇宙潮流」に沿って突進する技術なんだ。まるでオリンサスさんが生きてるみたいだ。

イルミナ ミーターさん、「宇宙潮流」って「オリンサス」さんの技術ですって?

ミーター 「宇宙潮流」という真理は、ハニスさんが、ベリス岬の洞窟で再発見した、ガール文書のなかの一つ『ジョン・ナックの歴史思想書』の一部に記されてあった宇宙構成三要素の一つ暗黒エネルギーに関係のある概念なのさ。
 オリンサスさんは、若いとき、コンポレロンの友人から、それとの接触技術を教わったと聞いている。それを若いときはずっと無視してきたが、ハニスさんと知り合ってから、やっと重い腰を上げたように夢中になった。
 ハニスさんがアルカディアと知り合いになったのは、ベリス岬の洞窟で、「ガール文書」の一部を発見してからで、その中に「ジョン・ナックの歴史思想書」があった。
 その本には二万年以上前に故郷の星のある望遠鏡のことが記されてあった。その名前が、「すばる望遠鏡」。そのプロジェクトが「SuMIRe」。これによって宇宙誕生の神秘がやっと抉じ開けられた。この宇宙の起源138億年前のある瞬間、この宇宙はインフルエーションによって惹き起こされ、ビッグバン現象を起こした。その時、暗黒エネルギーが筋状に「シワ」をつくって宇宙潮流を構成した。この宇宙潮流が宇宙全体を繋いでいる。この宇宙潮流のシワに沿って進むのがジャンプなんだ。

 重要な真理がある。コンポレロンはターミナスのちょうど銀河の反対側に位置していて、シンナックスやヘリコンに近いばかりじゃない。伝説だが、目的地のオーロラ、そして最終目的地の人類のふるさとアタカナに辿り着く道しるべの星なんだよ。コンポレロンは単にターミナスの同盟星ということではない。もしかしたら、反ミュールの星にも関係が深い。

イルミナ じゃあ、ミーターさん、それって誰かが、いわゆる「歴史消滅」から幕開けを図って、いよいよある人々にだけ、重要な真実のヴェールを開けつつあるっていうことね!その誰かって!

ミーター

 そう、イルミナ、勘が鋭い!「不死の従僕」だろうかねぇ!

yatcha john s.
Photo ∶すばる望遠鏡

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