スイッチの違いは違いでしかない

現在流通しているキーボードは、大きく分けてメンブレン式、機械式(メカニカル)、静電容量式があります。(最近は磁力式とでも言うべきか、ホール素子を利用したものも出てきたようですね)
これらは信号の検出方式による分類ですね。

ちなみにパンタグラフ式というのが4つめとして挙げられていることがありますが、パンタグラフ式はスイッチ構造の分類で、ほとんどの場合、信号の検出はメンブレン式です。

さて。
キーボードに興味を持ち始めたくらいの頃に、多くの人がメンブレンよりメカニカルが、メカニカルより静電容量が「良い」スイッチであるという勘違いをするようです。

どうも、より高級なキーボードに使われるから「良い」のだろうということみたいですが、スイッチ自体には良いも悪いもないのですよね。もし、高価であることを「良い」と表現しているのであれば概ね正しいのですが。
価格の差は製造コストの差でしかないわけで、そのキーボードがどこで誰にどのように使われるのかによって、「良い」スイッチは変わるはずです。

モバイル性を最優先するならかさばる機械式や静電容量式は「悪い」スイッチで、2枚のシートだけで構成されるメンブレン式が「良い」スイッチになります。
同じように、耐久性を優先するなら物理的な接点の存在しない静電容量式が、互換性やカスタマイズ性ならメカニカルが「良い」スイッチになるわけです。

スイッチの種類は優劣ではなく、ただ特性が違うに過ぎません。
他の多くのものにも言えることですが、何を目的にするのかによって最適解は変わるのです。

キーボードを選ぶときには、人気や話題よりもまず、自分がキーボードに何を求めているのかを起点にして製品を探さないと、「コレジャナイ」キーボードに無駄な出費をする羽目になります。
高価なものが必ずしもあなたにとって「良い」ものであるとは限らないのです。

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