姫路で「自動運転する電動車いす型ロボ」に乗ってみたら、競合は「人力車」なんじゃないか、と感じた件。
姫路駅から姫路駅までの大手前通り。ここで2020年11月2日から23日まで自動運転モビリティの社会実験、自動運転の一人乗りロボ『RakuRo(ラクロ)』に乗ってきました。
https://www.zmp.co.jp/event/himeji-tour
https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/202011/0013836951.shtml
予約したのは11月18日(水)の13:30姫路城発JR姫路駅着のコース。
10分前に予約テントに伺って、いろいろと事前の説明を聞きました。
・法的には「電動車いす」をベースにしているので、歩道で走ることとができて、運転免許もいらない。
・RiDER(ライダー)の機能を活用している。運行については、3Dの地図を読み込ませていて、スタート地点をまず読み取り、ゴールまでは、読み込んだ地図と照らし合わせて進んでいく(GPS制御ではない)。
・スピードは基本今は最高時速を5kmで設定。速度は一定ではなく、路地と交差するところはゆっくり走るように事前にプログラミングするなど調整wしている。
・前方に障害物が来たらとまる設計になっている。
・タブレット画面に姫路の観光案内などがあるから、適宜見ながら乗ってほしい。
※LiDERはこれが詳しいかな?
https://www.keyence.co.jp/ss/general/automotive-manufacturing/010/
このあたりを事前に教えてもらって、ついに実機と対面!
実際に乗車です。扉(?)は手動。シートベルトは法的にはしなくてもいいみたいだけど、いちおう念のためにするように言われました。スタートはリモコンを持っているスタッフが指示をして、あとは自動で進みます。
さすが車いすをベースにした設計。道の段差でゴツゴツする感じは全くないです。あと全然怖くない。安定感はイイ感じです。
信号はいったん止まります。そして青を自動認識して進みます。これは信号が黄色に変わる直前の青で進んで、道を渡り切れずに交通に支障を及ぼさないようにするからみたい。急ぐ旅?でもないので今回は良かったけど、交通と考えると、ちょっとイライラすする仕様かもしれないな。
こいつ、途中で「こんにちは」って言うですよ。これは、前方のカメラ(目)が顔認証をして、人と認識するから。ヒトコト言ってくれるだけで、周りの人たちも和んで、良いコミュニケーションができます。ただ、こちらから「こんにちは」とRakuroに声をかけても反応はしてくれません。「会話機能はこれからなんですよ」とは、安全管理のために横に歩いてくれたスタッフ談。
今日は最高のRakuRo日和だったのだけど気になったのが天気。雨の日は基本運転をしないそう。機能上は小雨でも大丈夫らしいのだけど、利用者が傘を持つとそれを360度カメラが誤認識する可能性があるので、いまのところは安全を考えてやらないそう。あと、夜についても、性能上は問題ないのだけど、夕方は歩道に人が増えるからという理由で今回はやっていないそう。前方ライトあるので、それなりに明るいということ。
あと走行中に「右に(左に)曲がります」ってよく言うんだけど、実際の挙動はちょっと寄る感じ。90度曲がるようなシーンは2度ぐらいしかなかったので、ちょっと違和感も。これは日本語の課題というより何をもって「曲がる」というのかという決めの問題なのかな、と。
約20分で姫路駅に到着。いつも歩く姫路駅もなんか違った風景に見えますね。
で、このサービスが今後どうなるだろうって考えてみました。たぶんこれを交通機関として乗りたい人って、まずいないと思います。だって歩いた方が早いぐらいだし、姫路はバスもレンタサイクル(姫チャリ)も便利だから、あえてこれを選ぶという選択肢はないな、と。
でも、今回乗ってみて、横に一緒に歩いてくれる安全スタッフとのやり取りが面白かったし、周りからの反応もなかなか興味深かったんですよ。こちらから手を振ったこともあったし、声かけたこともあるし。姫路にもたくさんいる「観光地で人力車に乗る」ような感覚だな、って思ったんです。
(https://www.photolibrary.jp/より)
何台か連なってても安全確認が一人でいいんだったら、人力車の兄ちゃんみたいな人が姫路の案内とかロボットの案内とかしながら走ってくれると楽しいかもしれないなと。(もしくは、工場ツアーとかを引率してくれるコンパニオンのお姉さんでもGood!かも)あと、付加価値を出すのなら、Rakuroの視線から映し出される動画データを渡すとかしても旅の思い出として楽しいかもしれない(街中を歩く人の顔が映ってるからそのあたりの処理は必要かもしれないけどね)。あと、Rakuro+姫路城のいい風景と一緒に写真撮るのをスタッフが手伝ってくれるとか。
そう考えると、移動+αで考えないと、このスキームだと厳しいなとは思ったわけです。つまるところ、たんなる移動のためのツールというより、観光地におけるコミュニケーションツールをメインとして捉えて、それがたまたま移動手段だった、と考える。そうすると、ものすごくワクワクするなーって思いました。
西粟倉でも試験的に走らせられないかなぁ。ちょっと考えてみよう!