【Photoshopの科学】Photoshopの言語設定を切り替える方法(正規のやり方)
【内容】
PhotoshopにUI言語リソースを追加してアプリ内で日本語版⇄英語版の切り替えができるようにする。
英語版に切り替えると、動かなかった海外製アクションが使えるようになる。
アプリの正規機能で言語切り替えを行うため簡単・安全。
1.Photoshopの言語設定問題
Adobe Photoshopの言語を日本語から英語に変えたいと思った事は無いだろうか? 実は言語を変えて変わるのはメニュー項目だけではなく、「背景」レイヤーといったシステム固有の名称も変わるのである。実はこれが問題のタネであり、名称が変わることによって不具合が起きる。
代表的な例が「アクション」であり、海外で有償無償で流通しているPhotoshopアクションは日本語Photoshop環境では動かないものが多い。これはたとえば「背景」レイヤーが英語版では「Background」でありアクションの中ではこの名称で呼び出されてしまうなどが原因である。
2.言語設定は切り替えられる?
Photoshopの環境設定→インターフェイスを開くと「UI言語」という設定項目がある。つまりAdobeとしては言語設定機能を搭載しているはずなのである(執筆時のVer. 21.0.3)。ところがこのメニューを開いてみても選べるのはAdobe Creative Cloudでインストール時に設定した言語のみでその他の言語は出てこない。
ちなみにAdobe公式サイトには
「インストールする Creative Cloud アプリケーションのデフォルトの言語を変更する方法について説明します。インストールされている既存のアプリケーションに変更内容を適用するには、設定後、アプリケーションをアンインストールして再インストールします。」(出典: https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/help/change-install-language.html)
となっているが、この通りに実行すると日本語版がアンインストールされ英語版になるので今度は日本語に切り替えられないし、言語変更のたびにインストール作業をするのはあり得ない仕様。
3.Photoshopの多言語仕様を解析する
「UI言語」というメニューがあるのだから多言語化されているはず、という事でPhotoshopのフォルダを調べてみると言語設定用を思われるフォルダが見つかる。
これはUNIX系OSで使われる「ロケール」設定と同じで、日本語版インストールではこれもお馴染み「日本語/日本地域」を意味する「ja_JP」フォルダがある。ここにja_JP以外の言語リソースを追加すれば多国語対応になるというアプリ仕様であると思われる。
ちなみにネット上では「ja_JPフォルダ内のファイルをリネームすれば英語版になる」という情報をちらほら見かけるが、これは「言語リソースが見つからないためデフォルトの英語で起動」しているだけなので安全な方法とは言えない。
4.Photoshopに言語リソースを追加する方法
さてここからが本題。Photoshopに英語リソースを追加する。やり方は
1.「Adobe Creative Cloud」アプリの設定メニューを開く。
2.「アプリ」タブから「初期設定のインストール言語」でEnglish(International)を選択。
3.「インストール済み」に日本語でインストールしたアプリが出なくなるので「サブスクリプションに含まれる内容」からPhotoshopを再インストール。
4.インストール言語を「日本語」に戻す。
注意点は3.の再インストールの前にインストール済みの日本語版をアンインストールしない事。これをやってしまうとAdobe公式説明のように言語切り替えの度に再インストールを繰り返す事になる。
再インストールというとアプリが2つ入ってしまわないか?と思うかもしれないが、実際にはアプリ本体は変わらず、言語リソースが追加されるだけである。
5.アプリからの言語切り替え方法
言語リソースの追加インストールが終われば、あとはアプリ内の環境設定でUI言語が変更できるようになる。
UI言語を変更してアプリを再起動すれば見事言語が切り替わって立ち上がり、動かなかった海外製アクションが使えるようになるのだ。
6.まとめ
そもそもPhotoshopの環境設定にUI言語メニューがあるぐらいなので、Adobeとしては多国語起動を考えいるはずなのだが、現在のところ(2020.1.23記)標準のインストール時に言語追加できる仕様になっていない。これは今後改善されていくのだろうが、今時点では上記のやり方で言語追加していくしか無さそうである。
またこの方法で多言語化できるのは現在Photoshopだけのようである。Lightroomなどの他アプリはそもそも環境設定にUI言語の項目が無いし、ロケールフォルダも持っていない。Adobeの開発チームは製品毎に分かれているため、仕様にバラ付きがあるのが残念なところ。