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日本から正しきサブカルは消滅したのか。それとも
「サブカル」という言葉を普段の生活では意識的に使わないようにしている。意味が不明瞭すぎるからだ。言うまでもないことだが、21世紀においてアニメ、漫画、アニメソング、コスプレ、メイド、Vtuber、は、日本という国の最も規模の大きなポップカルチャー、言い換えれば文字通りのmain cultureだ。その一方で未だにこれらの文化は「サブカル」という言い方をされることが往々にしてある。というのも20世紀においてはこれらの文化が文字通りsubstitute culture=サブカルチャー(サブカル)であったからで、そのままサブカルという言葉だけが原義を失って日本語に留まっている。サブカルという四文字にまで単語が圧縮されてしまうと、多くの人は原義としての英語の意味を想起せずにサブカルという言葉を使うようになってしまう。のだろう。
アニメ、漫画などの文化はサブカルという名を持ちながらもsubstitute cultureからmain cultureに変異した。そしてサブカルという言葉の定義は不明瞭になり、結果的に今ではサブカルという言葉を使っても、それが何を示しているか相手に伝わることはなくなってしまった、という話だ。
今や、特に「アニメ」は日本の代名詞的な存在になり、日本の若者は限りなくほとんど100%に近い割合の人が何らかの形でアニメに触れている。みんなサブカル好き、という原義からすると冗談のような時代、それが現代だ。では、
"…だから日本はsubstitute cultureを、カルチャーのバラエティーを失った。"
こういう悲観的な意見があるとして、それは本当に適切だろうか?
まあ、その実、嫌になることの方が多い。なんか最近はアニメを日本の代表みたいに扱っている人たちがアニメと政治に関する話題ででいつも喧嘩しているイメージがあるし、アニメ一色の今の日本の流行にちょっとだけにしても飽きを感じている人もそれなりにいるのではないかと思う。
そうだ、話はちょっと変わるけど、これを書いている僕は特に流行りのアニメとか漫画を追っていないし、だからそういう話題についてもいけない。別に全くもって嫌いなわけではないけど、今の一番流行りど真ん中!のアニメとか漫画には一定の確率でどうしても好きになれない雰囲気があってやや避け気味だからだ。
そんなその時に流行っているmain cultureにどうも熱心じゃない人にとって、現在は難しい状況だと嘆きたくなったことが何度もある。自分だけがおかしな人間みたいに思えてくることさえある。だって、その時に流行っているmain culture以外の情報がほとんどSNSに流れてこないから。
しかし、よく考えると、常に表層にあるカルチャーは、すべてmain cultureであり、その対偶を取れば、substitute cultureは表層にはない、という単純なことを僕はずっと忘れていた。そう、たしかに最近はあらゆるものがmain culture化している、ように見える。しかしなぜそう見えるか、と言えば、そんな憂慮を思いついてしまうだけ何気ない生活のなかで印象付けられる、それ以外の情報がほとんどSNSに流れてこない、そんなものは全部main cultureだから、というところに尽きるのかもしれない。
そこまで考えを巡らせると、SNSは小さな意見まで拾って、SNSをなんとなく見ているだけでsubstitute cultureまで把握できるに違いないというSNSへの過剰な期待をしていることが…いや、過剰な期待をしていること"だけ"が、昔と今のmain culture、substitute cultureを取り巻く状況における本質的な違いだ(とはいえ、その唯一の違いが一部若者の間で自分たちのアニメ文化はsubstitute cultureなのだという一種のフィルターバブルのようなものを形づくり、サブカルという言葉の定義の破壊を決定的にしてしまったのだけど)
もう一度言う。
常に表層にあるカルチャーは、すべてmain cultureであり、
その対偶を取れば、substitute cultureは表層にはない。
だから日本はsubstitute cultureを、失ってはいない。ただ見えにくいだけだ。そしてこれらが見えにくいのは定義からして当たり前のことだ。昔の若者が世間から冷たい目をされても、メディアがどこも取りあげなくても、ニッチな場所や穴場のwebサイトでアニメや漫画の文化を造り上げたように。今の若者にもそれはできるはずだ。カルチャーのバラエティー?表層という意味なら、そんなの今も昔もない。みんな揃ってサブカル好きの時代に、俺たちは文字通りのsubstitute culture、もとい「正しきサブカル好き」でいようぜ、というお誘いでした。
…と言いつつ、サブカル趣味を名乗ると、サブカルの定義の曖昧さゆえに、これからこのnoteで僕が紹介するあらゆるものに「いやその作品はサブカルじゃなくてメインカルチャーじゃん、適当なこと言うなよ」みたいなことを言われるのが目に見えてるので、やっぱり僕はサブカル趣味を名乗りません。結局のところ、常識的な範疇で考えるとするなら、サブカルは消えたし、消えていない。
改めまして、荽つぇい(yichei)です!特に明確な自己分類もしないので、皆様が僕のことを好きに「あ~なんかこういう人なんだろうな」って思って、いや思わなくてもいいです、とにかくこれから記事読んでくれると嬉しいよ。フォローもぜひよろしくお願いします!よろしくね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!