音楽が根付いたのはそんな理由だったのか
先日網走に初めて行き、そこで様々な歴史に触れてきました。心から面白かった。そしてとてもタメになりました。
そんな中で僕がなるほどなぁ……と膝を叩いたことを書きます。
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年始から網走に行くことになったのは「北海道の歴史を学んできなさい」という指令からです。
僕も北海道で育ち、今は北海道で活動していますが、イマイチ文化や歴史に関しては造詣が浅い。
とても良い機会なので行かせてもらうことにしました。
向かったのは北海道立北方民族博物館。奈良県立歴史民族博物館みたいなことです。なにがみたいなことかは深く追求しないでください。
ここでは主にアイヌ文化や先住民たちの暮らしや歴史を学ぶことができます。特徴的な模様や衣服のデザインはこういった理由で施されているのか。熊を崇めて骸を祀るのはそういう理由だったのか。など、知見を得るにはとても良い施設でした。
そこでシャマンの展示コーナーに辿り着きました。
シャマンとは、神や精霊と直接接触してその力能を得て予言や治病、祭儀などを行う人のことを指します。要するに占い師とか霊媒師みたいなことです。
シャマンがお祈りなどをする際、我を忘れる「トランス状態」にならなくてはいけないらしく、その時に太鼓を叩き鳴らし踊りトランス状態になるそうです。
その他にも様々な楽器が展示されていましたが、そこの説明文にこれは一本取られたと思ったわけです。
そもそも北の大地で音楽や楽器の演奏が盛んに行われていたのはなぜか?ということですが、前述したシャマンの文化があり祈祷や儀式のために行っていたのだと僕は思っていました。それでも確かに納得がいくのですが、それとはまた別です。
そこに書かれていたのは「寒い冬に家から出ることなく篭もる為、そこで楽器の演奏を行っていた」とのこと。
簡単に言うと、暇だから楽器でもやるか。ということです。
なんだその理由。とか思いましたが、現代と違い昔は暖房設備などもありません。真冬の厳しい寒さの時に無用意に外に出るのは死を意味します。
その中で越冬する為に楽器などを奏でて過ごしていたというのは理にかなっています。
僕はその説明文を見てケタケタと笑っていました。
ですが、北海道の音楽文化の根付きはこういうところから始まっているのかもと考えるようにもなりました。
例えばクラブミュージックなどが盛んであることもシャマンの祈祷の影響もあるのでは?と思ったり。
正に温故知新。勉強になりました。