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フェミニズムから多様性についてのメモ書き

見田宗介の論壇時評『白いお城と花咲く野原』を読んだ。フェミニズムに関してなるほどと思う部分があったので、メモしておく。

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差異の銀河へ ー国境を超える二つの仕方(1986年5月30日)より
男女の差別をこえるという時、「女である前に人間です」という言い方で、同質性に還元してゆく仕方がひとつである。もうひとつ「女といっても一人ひとり違う。男といっても一人ひとり違う。」という言い方で、異質性を際立たせてゆく仕方がある。最首の言い方をかりれば、<みんなが同じ>という仕方で差別をこえる方向と、<みんなが違う>という仕方で差別を超える方向とである。
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「同質化」と「異質化」について述べている。
三田は異質化は世界をすてきにするが、同質化は世界をたいくつにするとも述べる。

個人的には同質化の方が本質的なような気がして好きだったのだが、確かに差異を無くす発想でもあるため、退屈かどうかはわからないが発展性は無いように思われる。

本質的なものというのは、たいてい要素の数は多くならないが、異質的なものは要素の数が多くなる。男女が10人いれば10人分の違いがあり、1万人いれば1万人分の違いがある。それだけの数の違いを認め、理解し合っていくのは大変だなと思うが、しかしそれこそが多様性というものである。

多様性は、自分と価値観が違う人が価値観を認めるように要請してくることである。それは大変なことだし面倒に思うこともあるであろう。「多様性が大事」という言葉を述べるには、それ相応の覚悟が必要だが、自分にはあまりそこまでの覚悟は無いなとも思った。とはいえ、絶えず異なる他者からの呼び声は聞く姿勢だけは持とうとも思う。

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