≪ライブレポ≫ ASP 『ASP complementation plan B』 at 奈良EVANS CASTLE HALL
WACK所属の7人組アイドルグループASPが、2024年10月8日(火)に東京・日本武道館にてワンマンライブ『We are in BUDOKAN "The floor is all ours!!"』を行う。発表のあった2023年12月の日比谷野外音楽堂では、大きな歓声が上がった。
日本武道館公演に先立ち、4月からは全国4箇所のZeppを回るZeppツアー『MARCH with ROGUES to BUDOKAN』を開催。このツアーの名古屋公演では、翌5月から、全国47道府県を回るツアー『ASP complementation plan B』の開催を発表。5月1日にはメジャー4thシングル"Black Nails"をリリース。5月5日に行われたZeppツアーファイナル Zepp DiverCity公演にて、メジャー1stアルバムを日本武道館公演直前の10月2日にリリースすることを発表した。
約半年に及ぶ『ASP complementation plan B』ツアーが始まった。
2024年の活動を"HOLD OUR BOND TiGHT!"と称し、ならず者（ASPのファンの総称）と絆を深めながら、ASP史上最高で最幸の到達点に向かって突き進んでいく彼女たちの姿にファンの期待は募っていく。これからツアー1公演1公演を消化するたびに成長する彼女たちに目が離せない。
開演前
一週間ぶりのツアー。遠征を頻繁にしない自分にとって、珍しく連続して遠征した。今回は、奈良公演。高校の修学旅行ぶりに来た奈良。こんなとこだったっけ？と思いながら会場へ向かう。
昨年の『But I Love You TOUR』でもASPがワンマンを行った会場。知り合いから、「照明がとても良い」と聞いていたので、そこも楽しんでおきたいと思っていた。
フロア自体は段差の無い平面のフロアではあるものの、ステージが非常に高いため、どこからでも観やすそうであることを踏まえ、今回も無銭で入ることにした。整理番号は、青872番。後方は広く使えそうで、横移動したりするのもすごく楽しめそう。ステージを正面に右手前方に女性限定エリア。
初めて来た場所でのライブに期待が高まる。
本編
ほぼ定刻に暗転、SEが流れる。
前の週より変更されたセットリストと同じ立ち位置。
1曲目"Black Nails"。ナ前ナ以が、「全員、アガってこうぜ！！！」と煽ると、ならず者たちがたくさんの手を挙げ、応える。最新のASPを知る1曲から開幕するこのセットリストは、初めて来た人も嬉しいだろう。
2曲目は"BE MY FRiEND"。ASPのライブでは、誰でもみんな仲間で一緒に楽しもうと言ってくれる曲。ウォンカー・ツインズとモグ・ライアンが背中合わせになり、「エクスタシー！！！」と叫ぶところで、ならず者からも歓声が上がる。
マチルダー・ツインズ
ここで奈良のならず者へ挨拶。ユメカ・ナウカナ？が、「元気ですか！」と大声でフロアに問いかけると、フロアからも歓声が上がる。「みなさん、でかい声を持って来てくれたので、ASPからは！そのでかい声を使って、はしゃげる曲を持ってきましたー！」と続ける。「ASPとはしゃごうぜ！"the MAN CALLiNG"！！！」と曲紹介をした。
畳み掛けるように"the MAN CALLiNG"へ。「行こうぜ奈良ー！」とナ前ナ以が煽りを入れる。疾走感にあふれる曲でフロアの熱も上がっていく。
ユメカ・ナウカナ？
そのまま、"TOXiC iNVASiON"。イントロで、チッチチチーチーチーが「みなさん、まだまだ行けますかー！こっからASPと拳上げて、会場揺らしてこうぜー！！！」と煽り、ならず者に拳を掲げさせる。随所にある何かを掴み取る振り付けは、これからのASPの未来を掴み取るようなものに見えてくる。
ナ前ナ以
怪しげなイントロが鳴り響く。"Tokyo Sky Blues"。軽快なラップとサビの聴きやすいメロディに身は揺れ、振りコピも自然と出てしまう。サビでは手を挙げて、メンバーに合わせてフロアも右に左に跳ねていく。そのフロアの動きは次曲でも。"NO COLOR S"。コロナ禍での規制が続く中で発表されたこの曲は、今のオルスタライブ以降一番に横移動という楽しみが創られてきた。今となっては、自由にそれが出来る。感慨深いものがあった。そして"Blueberry Gum"へ。
マチルダー・ツインズ
今となっては、サビでの「チュッ！チュッ！チュッ！チュッ！チュッ！もう一回！チュッ！チュッ！チュッ！チュッ！チュッ！チュッ！チュッ！チュッ！」というコールもたくさんの人に定着した。それをステージ上から見るメンバーの嬉しそうな顔もまた一段と輝いていた。
メンバー紹介からの奈良に関するMCへ。ユメカ・ナウカナ？は、奈良のご当地キャラ、"せんとくん"をゲットしたと報告。本人曰く、「男として魅力を感じる」と話すと、ユメカ推しからキャンセルの声が上がった。最後に、チッチチチーチーチーが「今日は外も暑くて、ライブハウスの中もめちゃくちゃ暑いじゃないですか。めっちゃ汗かいて、もう身体がカラッカラなんですけど、この身体には、ならず者の、声だったり熱だったりが今直接入ってきて、めちゃくちゃ力になっています！ありがとうございます！このライブは、今日ここに集まれたあたしたちだけのものなので、自由に、もっと楽しめたらなと思うんですけど、みなさん、楽しむ準備出来てますかー！もっともっと手挙げていけますかー！奈良、まだまだいけますかー！」と意気込みと煽りを入れ、次の曲へ。
MC明け。1曲目は、"WARRiES"。イントロではオラついた表情でメンバーがフロアを煽る。サビの飛び跳ねるような振付をよく見ると、メンバー全員がすごくいい顔をしている。
チッチチチーチーチー
そんな笑顔のまま、"日々是虚無也"へ。モグ・ライアンが「奈良ー！！！今しかないこの時間を全力で行こうぜー！！！」とフロアを煽る。たくさん挙がる手からフロアがASPのパフォーマンスで笑顔になっていることが伝わる。
チッチチチーチーチー
次に始まったのは、"TRUST MYSELF"。腕を上げ、拳を振り回す。「大丈夫、大丈夫」と背中を押すパフォーマンスは、同じく披露された岐阜、静岡公演よりも力強くなっていた。
ウォンカー・ツインズ
続くのは、"ジャ・パ・ニーズガール"。可愛い振りが注目ポイントであるが、曲中のリオンタウンのシャウトにどんどん磨きがかかっていく。
モグ・ライアン
続いて始まったのは、英語の囁きから始まる"MAKE A MOVE"。イギリスのロックデュオ『WARGASM』による提供で全編英語詩のニュー・メタル調の楽曲。個人的にASPの楽曲の中でもめちゃくちゃ好きな曲。この曲では、ラスサビのチッチチチーチーチーのダンスをぜひ観て欲しい。他のメンバーも同じ振りをしているのだが、彼女の体幹の良さだったり表現の引き出しの多さを感じることが出来る。
リオンタウン
ここでMC。マチルダー・ツインズが、「このツアーが始まって、もう2か月経つんですけど、こうやって毎週のようにみなさんとライブ出来ているのが本当に嬉しいし、色んなところに行けば行くほど、新しい出逢いが待っているなと思って、今日は奈良のみなさんと一緒にライブが出来て本当に嬉しいです。ありがとうございます。」と話した。そして、「日本全国でライブをするという経験は、本当に、私にとっては履歴書に書けるくらいの、おっきい経験だと思うんです！履歴書に書けるくらいのすごい自慢のような日々を過ごしているんですけど、この経験って一番10月8日にある日本武道館に活かせられる経験だなってすごく思っていて、こうやって47回もみなさんとライブを重ねて、自分たちで武道館のチケットを手売りさせてもらってて、こんな大きすぎる経験は全部武道館の為だなって思います。だから、この時間を無駄にしたくなくて、ギリギリまでここで歌っていたいって思うし、改めて、武道館に立つからには、来てくれるみんなのことをビビらせたいなって思っています。ASPになってすごく一番大きい会場で、ライブさせていただくので、本当にこの日は気合いっぱい詰めてやろうって思っていますし、武道館までの3か月間は、みなさんの武道館の期待値をめちゃくちゃ上げ続ける私たちで居るので、武道館まで一緒に居てくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。」と武道館への思いを話した。
そんな思いを込め、"Heaven's Seven"へ。何度観てもこの曲が一番武道館への思いを昇華していると思う。大きな会場（当時は野音）で演ることをイメージしていたものがさらに大きな会場に繋がる。
その大きな会場で演れたらきっと気持ちいいだろうなと思う曲がまた繋がる。"SAKEBE"へ。この壮大な曲もあの大きな会場でたくさんのならず者と拳をかざし合い、大きな声で叫べる瞬間はどれだけ胸に刺さるだろうか。そんなことを思いながらたくさん挙がる拳を眺めていた。
ユメカ・ナウカナ？
本編のラストは、"拝啓ロックスター様"。「最後までアガっていけますか！！！」とモグ・ライアンが煽る。力を振り絞るように腕を回す。周りのならず者たちと一緒に肩を組んでヘドバンをする。全て武道館でも感じたい瞬間だった。
モグ・ライアン
アンコール明け
アンコールを受け、メンバーが再登場。
横一列に並び、"Hyper Clacker"へ。メジャーデビューが夏だったこともあり、季節が重なる。それまでの楽曲とは異なった路線の曲調ではあるが、ASPの表現の幅を垣間見れる一曲。
マチルダー・ツインズ
ナ前ナ以が、「みなさんが楽しんでくれて、超良いライブ作ってくれて、マジで、奈良、来て良かったです！みなさんも、来てくれてありがとうございます。」と来てくれたならず者へ感謝の言葉を伝えた。続けて、「ASPは10月8日に、東京の日本武道館でライブをするんですけど、なんと明日で、100日前らしいです！」と、武道館までもう100日を切ることを報告。
「区切りが良いと、いよいよだなってすごくします。今回のこのツアーは、武道館のチケットを持っていたら、毎公演、47都道府県全部、無料で来れるって謳っているんですけど、チケットが無料だからと言って、どの会場にも、私は、お客さんが居てくれるとは限らないなと思っています。だって、ここに来る手段だって、この時間を作る、本当に私は力がいるものだと思うから、それはここ、奈良の会場でも、日本武道館でも同じだなと思います。だからこそ、この時間、力が居るものだから、このライブに来て欲しいって気軽に言えないんですけど、今は、ここに居るみなさんに、敬意を持って、誠心誠意込めて言えます。10月8日は、日本武道館に来てください。本当に、10月8日は、私の人生を賭けて、ASPの全部を賭けて、来てくれたみなさんが、後悔しないようなライブを絶対にするから、来てくれたら嬉しいです。」と言葉に少々詰まりながらも武道館へ来て欲しいという気持ちを素直に吐き出した。
最後に、「今日もみなさんに会えて、本当に嬉しかったです。また、日本武道館で会えるの、とっても楽しみにしています。今日はありがとうございました。」と感謝を込めて、「最後、奈良のみなさんと私たちで楽しみたい一曲持ってきたんですけど、みなさん、まだ一曲いけますか！もっといけますよね！？まだいけますか！！！」と煽り、ラストの"レリゴ"へ。
ASPらしいはしゃぐ姿を体現したステージ。メンバーとならず者たちとのピースサインの応酬は、いつ観ても楽しいが詰まっていることを改めて感じた。
終演
終演後は、握手会と個別チェキ会の特典会。
高めのステージから観えるASPは、誰も置いて行かないというステージだった。セットリストは週替わりでの変更のため、新たに2曲が入れ替わり、曲順が少し異なっていた。固定された曲たちの表情の変化を楽しめるのもツアーの醍醐味。今日と同じパフォーマンスは二度とないと思うライブだった。
また、翌日和歌山公演で、あと100日となる武道館公演。その大きなライブに向けた、今のメンバーの素直な気持ちを聞けた大切なライブだった。
セットリスト（ネタバレ）
