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世界で一番わかりやすく不動産投資のデッドクロスを説明したい
タイトルにチャレンジします。
私自身は不動産投資の経験はありません。そのせいか、世の中にあるデッドクロスの説明がよく理解できませんでした。
そこで、不動産投資や所得にかかる税に関する知識を、根本から整理して理解に努めたところ、理解することができました。
私のように、不動産をこれから始めようとしている人間が書く記事だからこそ、そのような人たちに伝わると信じてこの記事を書きます。
デッドクロスが大家に何をもたらすか
デッドクロスは、大家にとって不都合なことです。その不都合を端的に言えば
所得にかかる税金が大きくなり、最終的なもうけが小さくなる、またはマイナスになること
です。
所得にかかる税金とは
所得にかかる税金なので、ここでは不動産でのもうけに対する税金を指します。もうけに対してだいたい30%を納めなさいと税務署から言われます。※1
このもうけというのはどのように計算されるのでしょう。
それは、あなたのお財布に入ったお金から、不動産活動で必要になったお金を引いた金額です。あなたのお財布の中身をイメージしてもらうと分かりやすいのですが、もっと簡単に言えばあなたの財布に最終的に残ったお金がもうけです。
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上の絵のように、全てのもうけから全てのしはらいを引く単純計算であれば、何にも難しくはないのですが、例外があるのです。。。
税務署がしはらいとして無視するローンの元金
不動産を買う際に、多くの方がローンを組むと思います。
ローンには、まず間違いなく利子がつきます。毎月のローンの返済は、借りたそのもののお金である元金と、それにかかる利子で成り立っています。
例えば、「毎月ローンを10万返しているよ!」ということであれば、大体8万円くらいが元金で2万円くらいが利子になっていると思います。
この8万円の元金分は確かにあなたは払っているのですが、税務署のおっちゃんはしはらいとしてみてくれません。
先ほどの例のうち、ローンの元金の支払いが96万円だとしましょう。すると、税務署のおっちゃんは96万円をしはらいとして見てくれないので・・・
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いきなり答えになるんですが、これがデッドクロスにより起こることです。
財布の実際の状況と税務署のおっちゃんの勘定にギャップが生じ、税金を払った結果、もうけがマイナスになります。
20万しか財布にないのに、30万以上の税金を払えと言われてしまいます。
もう一つの例外項目がローン元金の不都合に蓋をする
税務署のおっちゃんは、あなたが儲ければ儲けるほど喜びます。なぜなら、その分税金を多く払ってくれるから。
ということは、あなたとしては、税務署のおっちゃんだけにはもうけを少なく見せたいですよね。極端な話をすれば、もうけが0円に見えれば税金は払わなくていいんです。
先ほどのローンの元金は、あなたにとって不利な話でした。実際には払っているのに、もうけが少なくなるばかりか、しはらいとして無視された結果、むしろ実際よりも、もうけが多く見えてしまうので。
そこで朗報です。あなたにとってうれしい例外があります。それは、減価償却費です。
これは、あなたは実際には支払っていないのに、税務署のおっちゃんは支払ったと見てくれます。
先ほどの例だと、ローンの支払いで元金を96万円実際に払っており、それを税務署のおっちゃんが悲しきかな無視します。一方で、実際には払っていない減価償却の100万円をしはらいとして見てくれたなら、残ったお財布より4万円多く支払ったと、税務署のおっちゃんは勘定してくれるわけです。
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ありがたいですよね。でもこれって、もしあなたが税金の根拠に無頓着なら、ローンの元金があなたを苦しめようとしていたが、減価償却費に実は助けられていた事実に気づかないですよね。
デッドクロスと呼ばれる理由
あなたは喜びます。「やった!お財布にお金が残った!もうけはプラスだ!」と。
もしあなたが所得にかかる税金の根拠に無頓着であれば、突如として悪夢はやってきます。急に税金が跳ね上がり、財布にお金が残らなくなるのです・・・。
不動産をローンを組んで買うと、大抵のケースで以下です。
・多くの人が加入するローンの仕組み上、元金は徐々に上がる。
・ローンの支払い期間よりも早く、減価償却費がガクッと下がる。
この2つをグラフにすると、以下のようにどこかでローンの元金よりも減価償却費が小さくなります。
そのタイミングが税務署のおっちゃんが実際のお財布よりも、もうけを多く見るようになるタイミングがデッドクロスです。
二つの線がクロスし、そこからあなたにとって不都合な期間が始まる死のポイント、というような意味でしょうか・・・。
しかも、減価償却費がガクッと下がるタイミングであることが多いらしいのです。怖いですね。
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おわりに
デッドクロスについて書きました。
勉強をしてみて、デッドクロスというネーミングに違和感を感じるところがあります。
だって、単純に減価償却が終わって税務署のおっちゃんに所得が多く見られて払う税金が増えるだけの話ですよね。ローンがあろうがなかろうが大家にとっては税金の支払いが増えるという意味では同じ不都合です。
わざわざローンの元金の項目を引き合いにもってきて、クロスを表現したり、手残りマイナスの黒字倒産を謳う必要があるのかなと思いましたとさ。
注
※1 法人や個人、所得額によって税率が変わることは、ここでは説明を明瞭にするために端折ってます。