Street Viewで地域研究をしましょう（４）
予備調査つづき
ストリートビューの概要と価値
ストリートビューとは、Google社が2007年から提供している、公道沿いの風景をパノラマ写真で提供するインターネットサービスで、GoogleマップやGoogle Earthから利用できます。
2009年5月13日までは、路上からの高さ2.45mで撮影されていましたが、プライバシーの侵害等が指摘され、2.05mに変更して撮影するようになったそうです。40cm低くすることで、塀の中が見えなくなるということですが、その点では、より「人の目」に近くなっています。
基本的に公道を撮影しているものがメインですが、撮影時間は、日中時間帯のようですので、地域研究の価値としては、特にその地域の経済活動、社会活動を中心とした姿を見ることが出来ると思っていいと考えています。
但し、歩行者の数など定量データは取れないと思われますが、感覚的には十分把握できるでしょうし、景観を中心とした静止物の把握も可能と考えています。
実際、現地調査でも、公道を中心に調査して行きますし、人間の目の高さから見えないものは、把握できないというのも、同じです。
住民の行動を想像してみる
まず、駅と役場が、住人の主要な行き先でしょう。通常、地域の概要調査でも、公共交通機関を使って地域に降り立ち、役所目指すことが多いです。
次は、住民の行動を想像して動いてみます。
住民は、そこで日々を過ごしているので、おそらく生活物資の購入と、飲食、そして文化的な活動が、まず考えられます。
生活物資のうち、特に生鮮三品に着目します。食料品のうち、魚、肉、野菜の3つは、食卓に必ず登場するものであり、食品を扱う小売業でも指標としてしばしば使われます。
この生鮮三品は、どこで手に入るのか、役場の近隣で探してみてください。その他に、お菓子や酒、パンなど嗜好品、衣類や日用品の店などはどうですか？
さらに、外食ができるような店はどこにありますか。
それらを位置情報とともに、記録して行ってください。
地域によると思いますが、商店は、特に生鮮三品は、ある程度近傍に集まっている可能性があります。その方が購入者にとっても利便性が高いはずですので、地域にはこうした商業の集積場所があるはずです。
そうした商店街はありますか？
おそらく、商店街がその地域のメインストリートになるはずです。
そこを歩いてみてください。
特に、商店街的な場所は、どこから始まり、どこで終わっていますか？
その商店街の特徴や、目に付くものなども記録して行ってください。
例：真鶴町大道商店街
https://www.google.com/maps/@35.1559231,139.1341167,3a,75y,250.45h,85.43t/data=!3m6!1e1!3m4!1sHf_IgerzdXPXRrE4_uBqdQ!2e0!7i16384!8i8192
次に、図書館、公民館、博物館、資料館、コミュニティセンターなど、公共施設で、人が集まるような場所を探してください。
どのような設備がありますか？
例：youホール 市原市勤労会館
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もう一つ、その地域に特徴的な施設には何がありますか？
博物館や資料館などにも、その地域ならではのものがあると思います。
また大規模ショッピングセンターなど民間の商業施設や、採石場、漁協など産業関係の設備もあるかもしれません。
余り詳細に辿る必要はありませんが、印象を掴むために、大まかにその場所を歩いてみてください。
一点、心がけてもらいたいのは、「人の目」を保ってストリートビューを使うことです。
Googleマップでその場所に飛ばずに、時間を掛けて地域を回ってください。
実際の現地調査をなぞって、地域のイメージを把握するのが内容です。
ここまで大まかに回り、記録をしたならば、最後に出発点である駅まで戻ってください。
さて、確認ですが、回ったスポットの位置情報が記録できたと思います。
改めて、地域の地図上で、コースとスポットを確認しておきます。
これらは後に詳細化して調査して行きますが、ここまで地域を回ってみて得た印象を挙げてください。
そこはどういう感じの地域でしたか？
目に付いたもの、興味を持ったもの、なんでも構いません。
出来る限りたくさん挙げてみてください。
次は、対象とする３地域の設備を確認しながら、概況調査をしていきます。
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