今更ですが、ルーシーの骨の60% Vol.7一旦終わりましたが次のフェーズにうつります。
ノートの更新もいつまにかとまってました。そして、たくさんのことがありすぎて収拾つかなくなってしまいました。
カワムラシュウイチ殿との3か月に及ぶレジデンスプログラムは終わりました。場所をつくることとシェアすることの重要さと難しさを体験することができました。
戦前住宅街であった黄金町は、空襲を経て戦後すぐは住み込みの職人が住む町でした。同時に大岡川沿いに船がたくさんとまって、貧しい人が船上で暮らすような環境も別にありました。こうした多様性が受け入れる歴史が我々を受け入れてくれたように考えてます。
しかしながらほとんどの人は、ここ30年くらいの赤線の歴史ばかり注目ばかりします。今回レジデンスを組むにあたり、この土地や人への関わり方を最重要事項として掲げ、土台を作ってからの制作としました。
結果としては、そこの集まりアーテイストや黄金町エリアマネージメントセンターの人やそれにかかわる地元の人、BARや食堂などお店を出している人と話すことがメインで、それに使用したメモを痕跡としてまとめました。
当初予定していた、コピーすることを使用した具体的な制作には着手できませんでした。結果として、制作とはなにか、作家とはなにか、展示とかそれにかかわるキュレーションとはなにか、についてたくさん考えました。
その中でも隣の作家さんのスタジオで作品をみせてもらい、コンセプトだけに頼らないモノが語る作品の良さを教えてもらいました。他のある作家さんは、鑑賞の邪魔をするなにかについて話をしました。他にも、絵を描く前の想像とか、憲法や法律という大きなテーマを自分ごととして解釈したもの、ジェンダー問題、一度に語り切れないくらいのチャンスがありました。
とくに、いっしょにシェアしたカワムラさんとは、作家としてのアイデンティティとドリル展の話。思考を外にだして共有することを深く話せたと思いました。異なる意見への適切なアプローチやスタイルの違いよるお互いの尊重があってこそのシェアであり、よい緊張感がありました。
最終的に、成果展で実施したトークでは、聞きたい内容と違ったとの意見をもらって、話し方の違いで、場面の違いで、聞こえ方や伝わり方が違うことを学びました。実は、神戸での個展で実施したトークイベントでも抱えていた課題でした。
現段階で、活動の要素を整理しただけで、課題形成まで至ってません。収集がついていないというのは、もう少し整理の時間が必要ということです。
ここまでたくさんのひとに助けてもらいました。カワムラさんをはじめ黄金町アーティストや事務局のみなさんとそれをみにきてくれた皆さまに感謝いたします。
短期プログラムは終わりましたが、ルーシーの骨の60%は、黄金町の日の出湧水の前で継続しております。今後ともよろしくお願いします。