PFASってどんな物質ですか?安全性は?
ちょっと前にこんなニュースが流れてきました。
PFASという有機フッ素化合物は健康への悪影響が指摘されており、水道中に基準値を超えて含まれているケースが散見されるため、検査が義務化されるらしい・・・
あれ?有機フッ素化合物ってフライパンのコーティングで使われてなかったっけ?あれ、大丈夫なのか??
ということでちょっと調べてみることにしました。
PFASってどんなもの?
まずはGeminiの回答から
用途例はこちらのページが良かったので抜粋します。
やはりかなり広く使われてきたことがわかります。原則、代替されているとは思いますが・・・
PFASの安全データを見てみよう
「PFAS」という物質はないので、Geminiの解説の中で代表例として書かれている「ペルフルオロオクタンスルホン酸」を調べてみます。
Google等の検索で
「ペルフルオロオクタンスルホン酸 SDS」
と入力します。「SDS」というのは「安全データシート」の略で、仕事で化学物質と関わる人にはおなじみのものです。昔は「製品安全データシート(MSDS)」と言ってました。
検索すると、厚生労働省の「職場の安全サイト」が出てきます。製品として売っている会社のサイトも出てくるかもしれません。
上のリンクを開くとこんな感じになります。
「SDS」と言われるものの見本例が出てきます。いろんな会社がこれを参考にして、自社の製品のSDSを作成したり、使用する化学物質の安全性を確認したりします。とても重要なものです。
もう少し下の方、「2. 危険有害性の要約」を見てみます。
真ん中あたりに何かしらのマークがあります。「GHSラベル」といって、最近職場で重視されています。何やらどくろとか物騒なものがありますが・・・
「急性毒性」とか「水性環境有害性」とか物騒そうなものが並んでいます。一方で有機物でよくある炎のマーク(引火性)はないので、「やっぱり安定なんだな」と思えます。
これらのマークがついている化学物質は職場でちらほら見かけるので、まあそこは驚くレベルでもないのですが、注目ポイントは上の方「発がん性」。区分2、なかなか強いのが入っています。ちなみに区分は数字が小さいほど毒性が強く、問題なければ「区分外」とか、表示自体なかったりします。発がん性自体、入っている物質が少ないので、結構管理きつめの物質です。
注目ポイントはたくさんありますが時間がないので(^O^)
ぐーん、と飛んで「15. 適用法令」へ。
人によって注目ポイントは変わりますが、比較的共通する注目ポイントは
「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」。「第1種指定化学物質」になっています。工場とかから排出(業者に委託して廃棄する、等も含む)する量がある程度よりも多い場合は集計して報告してね、ということで、特に製造現場などまとまった量を使う職場では、他の物質よりも管理レベルが1ランク上がります。
一方で安全絡みでなじみの法律はいないので、上の「どくろマーク」との違和感はある・・・今後入ってくるかもしれません。
適切に恐れよう!
安全情報はこんな感じですが、
コーティングされて安定な状態ではおそらく大丈夫です。削れちゃったり、原料段階では30~50μmの粒子らしいので、そっちは注意が必要。
家庭ではコーティングされた安定状態のものしかお目にかからない(それらも代替されているだろう)ですが、職場では、今回飛ばしたところに保護具の情報もあるので、適切な保護具を使いましょう!