金属配線の中の金属原子のサイズ
「金属配線」と明記したのでそれぞれの金属原子は金属結合を想定します。
「金属結合半径」というものが定義されており、金属結合によって互いに結合した原子間距離から推定される原子半径になっています。半導体の配線に使われている、で連想されるAlは1.43Å、Cuは1.28Å。「原子サイズ」というと直径をイメージする方も多いと思うので倍にして、Alは2.86Å、Cuは2.56Å。
金属結合している原子は「結晶」という数個集まった構造を形成して機能するので、結晶を考えると、Alは立方晶(面心立方構造)で格子定数は4.05Å、Cuは立方晶(面心立方構造)で格子定数は3.81Å。
「Å」は(オングストローム)と読み、1Å=0.1nm。
つまり半導体の金属配線を想定した原子サイズは概ね1nmの1/4程度。結晶単位で考えると1nmは結晶2.5個分程度。
まあ結晶1個単位の制御自体想像つかないレベルで難しい技術で(縦に積む「原子層」ならわりと知られているのがあるのですが、横というのは・・・)、半導体のデザインルールを「サブミクロン」とか言ってた頃からは隔世の感があります。
土曜日は本の紹介だった!
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ということで、金属材料の基礎と最近見かけた半導体に関する(技術要素薄めの)本。
終わりに
今日の記事は、書いてあることはそこそこ良いことなのに、簡単な事実の部分が間違っている記事を読んだ記念に書きました。普段は生暖かい目でそっ閉じしてるのですが、考えてみたらそういった記事を信じる人が増えると日本の知識レベルが下がるのは由々しき事態だな、と思って。