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CTの結果は

CTの結果

朝から両親と共にCTの結果を聞きに行きます。産婦人科は女性しか入れないようになっているのですが、私が重大な病気ということで父も入れました。(呼ばれるまで外の椅子で待っててもらいました)

診察室に入りCTの画像が表示されます。CTを見る限りがんらしき部分は右卵巣だけで他の臓器に転移はしていないだろうとのことでひとまず安心しました。

次に私の卵巣がどういう状態なのかと手術の話に入ります。私と母は前回説明してもらいましたが、父は初めてなので再度話をしてもらいます。

MRIの画像を見ると右の卵巣が16cm×10cmまで大きくなっていて一部硬くなっている。手術で右卵巣と右卵管だけを取る場合はへその下までを切るが、のぐちさんの卵巣はへその下まで迫ってきているので傷がへその横か上までと大きくなるかもしれない。なるべく傷は小さくなるようにするが、小さい切れ目から無理に卵巣を取り出そうとすると卵巣が破れてがん細胞がお腹の中に散らばる危険性がある。そうなると抗がん剤での治療をしなければならなくなると。

手術をして病理検査をしてみないとがんかどうかは確定しないが、がんだとしたら粘液性卵巣がんという種類のステージⅠaかⅠbだろうという話でした。

5年生存率

色んな種類の卵巣がんの5年生存率が書かれたページを見せてもらうと粘液性卵巣がんの初期の場合は95%くらいの人が5年後も生きているとのデータがありました。

では5%の人は全員5年以内に卵巣がんで亡くなったのかというとそうではないようです。他の病気や交通事故で無くなった人も含まれているので、卵巣がんが原因で亡くなった人はもっと少ないと説明してもらいました。

私が見せてもらったのはがん診療のガイドラインの本だったのでこのような数字でしたが、5年生存率の計算方法は病院によってバラつきがあるので他院で診断を受けた方とは多少違ってくるかもしれません。


臓器をどこまで摘出するか

3つ選択肢がありました。

1.両方の卵巣と卵管、子宮、大網、リンパを摘出する方法

2.右の卵巣と卵管を摘出し、がんとわかった後に他の臓器も摘出する方法

3.右の卵巣と卵管のみ摘出をする

1を選ぶと忌々しい生理が来なくなりますが、胸の下まで切ることになり、卵巣が両方なくなることで更年期障害と同じ症状が出て体調が悪くなります。骨粗しょう症や動脈硬化になりやすくなります。そしてここまでしても再発の可能性はゼロにはならないそうです。

2は術中迅速病理診断といって手術中に摘出した卵巣を調べ、良性ならそのままお腹を閉じ、悪性であれば他の臓器も摘出します。片方の卵巣や子宮をなるべく残したいが悪性なら摘出したい人向けです。手術が一度ですむのがメリットです。しかし精度が99%のため、後日普通の病理診断をした際に結果が変わることもあります。さらに術中迅速病理診断では一番わかりやすい部分を使ってしまうため、次の病理診断では残った部分でしか診断できなくなってしまいます。また、お腹を開けたままの時間が長くなるため麻酔の総量が増え、先生達も手術室で待つだけの無駄な時間が発生するのがデメリットです。

3は最低限しか摘出しない方法です。残った卵巣ががんばって働いてくれるのでホルモンバランスが崩れることはなく、傷もおへそをこえるかこえないかくらいですみます。しかし子宮は残るので生理は普通にきますし、一番再発率が高くなる方法です。

「どの方法にするかを今すぐ決める必要はありません。来週の診察日でもいいですし、その後でもかまいません。質問や相談したいことがあれば何でも言ってください」と言ってもらえたので私は家に帰ってゆっくり考えることにしました。母が「一度診察室の外で相談してすぐ決めてまた戻ってきます」と言い出して急かすなやって思いましたが(笑)

手術日を決める

臓器をどこまで取ってしまうかはすぐに決めなくてもいいけれど先に手術日を決めなければなりません。

「予定のある日はありますか?」と先生

進行が遅いとはいえ、がんがあると判明してしまった以上早く手術して取ってもらいたい私はいつでもいいのでなるべく早い日でとお願いしました。無職で何も予定がなかったのが不幸中の幸いでした。

在職中に病気になるといつから休んでいつ復職するか、その間の自分の仕事は誰に頼むかを考え、上司に自分の身体のことを話さなければなりません。前職は部下の診断書をまわし読みするために一枚多くコピーするマネージャーがいたので、病気になったのが辞めた後でよかったです。


「遅くとも年内には手術ができます。」

卵巣がんは自覚症状が出たときにはかなり進行しているイメージがありましたが、私がなった粘液性卵巣がんは比較的ゆっくりと進行するタイプのがんです。「お腹が出てきたのに気付いたのが春ごろで、今この状態なら1、2か月で急に悪くなるということはないと思います」という先生の言葉に安堵しました。

些細なことでも質問していいという先生の言葉に甘えていくつかききました。といっても9割は父が質問していましたが…

父は42歳厄年のときに精巣がんになり、右精巣を摘出した数か月後に肺などに転移が見つかり抗がん剤治療と開腹手術を受けました。娘も抗がん剤治療を受けるのか等まっとうな質問もしていましたが、卵巣を取ると性格が男っぽくなるのかというしょうもない質問には呆れました。


診察室を出て、前々回の領収書に受けていない検査項目が載っていたので会計受付で返金してもらいました。内診の予定を他の日にしてもらったため先生が消し忘れてしまったんだと思います。ちゃんとチェックしててよかった…


手術した人の経験談をきいてゆっくり決めようと思い、その日はまっすぐ帰りました。

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