入院2日目-手術-
睡眠薬のおかげでぐっすり眠れました。昨夜の下剤が効いてきてトイレへ駆け込みます。下剤なんて飲んだことがなかったんですが、強烈な効き目ですね…
いつも飲んでいる薬をOS-1で流し込み、手術着に着替え血栓防止のため着圧ソックスを履きます。
手術は9時からなのでそこそこ時間があります。朝ごはんもないしOS-1も時間内に飲み切れたしやることがない…家族とLINEしたりテレビをつけたりと暇をつぶします。
看護師さんが熱と血圧と動脈血酸素飽和度を測りに来てくれます。病院にいると37度になるのは何故だろう。少し熱が高いけどこれくらいなら手術は受けられるそうでホッとしました。
いよいよ手術
両親から病院に着いたよとLINEがきました。そして主治医の先生がもうすぐですよ、ご両親もすぐそこで待ってますと言いにきてくれはりました。
チャキチャキした看護師さんが今から手術室行きますよと呼びに来てくれました。マスクをしてシャワーキャップみたいなものを頭にかぶります。昨日母と別れた場所で両親が待っていました。一緒にエレベーターで手術室のあるフロアまで降ります。手術着と着圧ソックスとパンツしか身に着けていないので少し寒い…フロアに降りたら両親とはここでお別れです。手術は長くても3時間程度なので家族が待つ用の部屋で待っててくれるみたいです。
貴重品入れの鍵を母に渡し、じゃ!と軽いノリで手術室へ歩いて行きます。〇〇です、よろしくお願いしますと入口でオペ看さん?が挨拶してくれます。手首に巻かれた遊園地のフリーパスのようなリストバンドのバーコードを読み取ってもらい、名前と今からどの部位を取るかを聞かれます。
野口〇〇〇です、右卵巣と卵管を取る手術ですと答えて奥へ進みます。
ゆっくり手術室を見渡す余裕もなく中央の手術台へ。何人かわからないけどいっぱい人がいます。スリッパを脱いで寝転ぶと同時にあちこちから手が伸びてきて手術着脱がされ薄い紙のようなもの被せられーの、血圧測りーの心電図貼り付けられーの、パルスオキシメータ指にくっつけられーの、マスク取って酸素マスクつけられーのという忙しない状況でした。
手術台って思った以上に狭いなぁ太ってる人だとはみ出そう…そう考えているとなんと「今から点滴しますよ」と!麻酔で眠ってる間に点滴刺さるんじゃないの?OS-1を飲んだのになんてこった!点滴の針って太いから痛いんですよね…嫌々はーいと返事をし、ブスッと刺されました。痛いけど一回で入ってよかったです。
次は硬膜外麻酔を入れます。手術台の上で横向きになって背中を少し丸めます。背骨を数えて入れる場所を探してはるのがわかります。「まだ入れませんからねー」と教えてくれるので落ち着いていられます。しばらくして「まず局所麻酔しますよ、予防接種くらいの痛さです」と言われイイーンと鳴き声を出してしまいました。次の瞬間プスッと針が刺さりますが、刺さった後に液体が注入される痛みはありません。インフルエンザの注射の10000分の1くらいの痛みです。なーんやと余裕ぶっこいてると針を刺したまま他の箇所にも打っているような感覚がします。「ごめんなさいね、何か所か打ちますね」まじですか、痛くないからいいけど…
局所麻酔が終わりついに硬膜外麻酔の管が入ります。「危ないので絶対に動かないでくださいね」身を固くしてじっと待ちます。そして採血のときのような針が刺さる感触がしてズゴゴゴゴゴという衝撃が背骨に走ります。痛くないけどめちゃくちゃ背骨を押されている!オオオオオオと声が出てしまいます。恥ずかしい。ビリッとしたりしてないので神経に触れずに入ったようです。15分かかるってきいてたけど一瞬でした。「全然痛くなかったです!!」とニッコニコで報告すると「野口さんが我慢強いからですよー!」と褒めてもらえました。
手術台に上がってからここまでずっとチャキチャキの看護師さんが肩と腰のあたりに手を置いててくれているので安心できました。薄い紙一枚被せられてパンツ一丁で横になるのは心許ないので…
硬膜外麻酔も無事終わり、仰向けに戻ります。「もう痛いのは終わりですからね、次血圧測ったら麻酔かかりますよ」右腕の血圧計からプシューと音がし、そこから記憶がありません。
麻酔から覚める
「野口さん、2時間くらいで終わりましたよ」という声で目覚めました。「(早く終わったのは)先生のおかげです!硬膜外麻酔も痛くなかったです!卵巣は破れてないですか?」とうるさい私。「意識はっきりしてますね!破れてませんよ、先生が破れるかもって言ってたの?」ときかれ、「そう言うてはったので…破れてなくてよかったです」と答え眠たくなったので目をつぶりました。
ベッドが動いているのを感じ、手術室の外に出ます。母の声が聞こえましたが目が開きませんでした。そのままエレベーターに乗り部屋に戻ったのがわかりしばらくして目を開けました。横にチャキチャキの看護師さんがいて痛みはどうかときかれます。軽い生理痛くらいだと答えると、痛みが酷くなったらこのボタンを押せば麻酔が出るからと教えてもらえました。
改めて周りを見渡すと色んなものが身体にくっついています。酸素マスク、点滴、心電図、パルスオキシメータ、尿管、硬膜外麻酔、あとは脚にマッサージ機のようなものが装着されていて動いています。脚の機械は血栓予防のためですが、看護師さんが出ていってすぐピーピー音が鳴るのを2回繰り返していたためかすぐ外されました。
酸素マスクもしばらくして外されます。血栓予防になるので手足はなるべく動かすように、できればたまに体を横向きにするようにとのこと。試しに足に力を入れると辛うじてつま先が動くだけでまだ麻酔が効いているようです。腕は普通に動くので胴体のどこまで麻酔が効いているのか境目を探ります。鎖骨に触れるといつもどおりの感覚ですが、胸の上あたりから触れている感覚がなくなります。
看護師さんにスマホを取ってもらい、無事手術が終わったと友人にLINEします。Twitterのフォロワーさん達にも報告し、家族のグループラインで少しやりとりをしました。摘出した卵巣はかなり大きく約1.5kgあったそうです。未熟児くらいの重さをお腹に抱えて生活していたのか!と驚きました。卵巣の写真を撮ってほしいと母に頼んでいたのですが、白い袋に入っていて中が見れないし怖いからと撮ってもらえませんでした。病理結果が出たときに写真の写真を撮らせてもらえるようなのでよしとします。
しばらくすると体がガタガタ震え出しました。寒さは感じないのに歯がガチガチ鳴ります。術後はよくあることだそうで、看護師さんに電気毛布をかけてもらいました。震えがおさまると暑くなってくるのですぐよけてもらいました。
術後は頻繁に熱と血圧を測られます。部屋に戻った直後は37度を少し超えたくらいの熱でしたが、どんどん熱が上がり15時半くらいから39度3分になりました。ここまで上がると意識が朦朧としてきます。頭が熱いと訴え氷枕をもらいます。遠くから小さな子供の泣き声が聞こえてきます。痛い検査でも受けているのか5分以上泣き続けていてかわいそうでたまりません。つられて私も泣いてしまいました。しゃくりあげるとお腹が痛む…看護師さんがギョッとしてどうしたかきいてきます。子供がかわいそうで…と言うと、術後に泣き声聞かせちゃってごめんね、ちょっと機嫌が悪くて泣いてるだけだから大丈夫とのこと。この間もずっと子供は大声で泣き続けていました。ティッシュを取ってもらい涙を拭いてやっと落ち着きました。
高熱に苦しんでいると、手術前後に使った薬のリストを薬剤師さんが持ってきてくれました。色々説明してもらうのですが、しんどいのでいまいち頭に入ってきません。説明受けましたよというサインをしたようなしてないような…
熱が39度を超えたのは一瞬でした。38度台に下がるとスマホを触る余裕が出てきます。メンヘラがやるやつとツイッターに点滴の写真を載せたり、インスタにも手術終わったと投稿したりしました。LINEで今日晩御飯は食べられるんかと母がきいてきてほんまあほやな…と呆れるなどしました。夕方はのだめカンタービレの再放送を観て過ごしました。
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