今こそ投資の基本を思い出す ~長い目線で、慌てずに~
株式市場が揺れに揺れています。連日下がったの上がったのニュースが飛び込んできて、新NISAを始めたばかりの方は特に、気持ちが落ち着かない状態が日々続いているのではないでしょうか。
これからどうなる?という話が一番気になると思います。しかし、その話のほぼ全ては過去の動きを前提とした推測でしかありません。特に、目先のことを言っている場合は、注意をして聞かなければならないと思います。金融の世界では、発言者の立場において何らかの意図を含んだ「ポジション・トーク」が飛び交います。マスコミもSNSも意図を持って話を煽ります。
国が進めようとしている「貯蓄から投資へ」は、様々な見られ方があることは私も十分承知していますが、少なくとも国民に投機をさせようという意図ではないと思います。投資の基本である「長期・積立・分散」をしっかりとおさえて、冷静さを保つようにしたいものです。
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「長期」については、短期での騰落はあるが長期的には経済は成長を続ける、という前提に立っています。こちらのグラフは日経平均とNYダウの20年分の推移になります。今回の株安も反映しています。眺めてみるといかがでしょうか。もともと日本株がバブル崩壊以来の低成長の状態が長いということもありますが、このグラフから、今回の株安はみなさんにはどのように見えるでしょうか。
(「かぶれん」サイトにて作成)
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「積立」については、複利効果を見込んだ長期的な積立による資産形成を前提としています。下のグラフを見ていただければ一目瞭然です。年利5%の複利を期待して月3万円を積み立てた場合、元本+運用益(税・運用手数料等は考慮せず)のトータルリターンは5年で113.8%、10年で129.9%、20年で172.0%となります。みなさんは何年後なら納得のいくトータルリターンを得られたと感じますか?
(「つみたてシータ」サイトにて作成)
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「分散」は、各投資商品のリスク特性を理解した上で、お互いのリスクをカバーするように、投資商品の組み合わせ(ポートフォリオ)を構成することです。主として、株式と債券、国内と国外、必要に応じてコモディティ(金や原油等)も含めてリスク分散をします。長期投資に向いているのは個別株等への投資よりも、投資信託の活用です。各投資信託商品の特性は高度にデータ化されていますので、みなさん自身の投資スタイルを分析して最適な投資商品を提案してくれる、ロボットアドバイザーの機能も利用できますし、運用を投資信託の運用会社に一任することで、一日中運用に気を取られるような時間的・精神的コストも削減できます。
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以上のように投資の基本である「長期・積立・分散」の方針を決めて月々定額の元本の投入をスタートしたら、後は「忘れる」ことです。投資信託であればそれができます(リバランスは適宜)。そして、みなさん自身が動くことで経済的価値を生み出せる仕事に注力すべきです。お金には自分で働いていてもらうのが一番楽です。
働いてもらうお金、については一点注意がありまして、あくまでもキャッシュフローの余剰分から支出することが大事です。日々を生きてゆくのに必要なお金を無理矢理削ってまでやることではないと考えます。ただ、みなさんが気付いていないキャッシュフローを見つけ出すことはできる可能性があります。それには、かしこく「かせぐ、ためる、ふやす、つかう、つなぐ」という考えのもとに、家計の分析をすることが肝要です。一言で言えば、キャッシュフロー表を作るということですが、自力でやるのが難しい方はみなさんの身近にいるファイナンシャルプランナーの助力を得ることをお勧めします。
ぜひ、みなさんがご自分やご家族の大切な資産を、「長い目線で、慌てずに」活用することを願っています。
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今回は、今こそ投資の基本を思い出す、についてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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