ドミニオン知っとくといいこと集①

最近ドミニオンを始めた初心者の方に。
プレイする上で知っておくとちょっとドミニオンの理解の役に立つことをいくつか紹介する。

ドミニオンの本当に楽しい遊び方は、「同レベルの友人と始めて、同レベルで戦う中で自分なりのメタを構築して戦う」だと心の底から思っているので、貴方はひょっとするとこの記事は見ない方が良いかもしれない。

配慮込みで、意図的に少し内容を絞っている。
これを見たから勝てる!というほどの知識はないはずだ。多分。
うっかり見てしまっても安心してくれ。

少し遅れて始めるため、ちょっと友人に先を行かれている方、
理想的な環境で切磋琢磨していたのに、ライバルに一つ差をつけたいという強欲な方は是非。


ステロとコンボ

ドミニオン基本戦術に「ステロ」と「コンボ」と呼ばれるものがある。

「ステロ」とはステロイドの略。「鍛冶屋」のようなドローソースを2~3枚程度と銀貨や金貨のような財宝カードだけを買って、属州を購入することを目指すデッキ。

色々定義でもめがちだが、ここでは簡単に「アクションを一杯打たないで財宝を買う戦術」としておく。
銀貨、「鍛冶屋」、金貨、属州、終わり!
ステロは1ターンが短くなりがちで、「村」!「鍛冶屋」!「祝祭」!「研究所」!のように何枚もアクションカードを使っているプレイヤーに比べて弱そうに見える。
しかしこのゲームは属州を買うゲーム。属州を買えるならステロで十分。
コンボは強そうに見えて、コンデッキを作るためにターンを消費していることも多い。ステロの強さは速度。コンボよりステロが強い場はいくらでもあるので、上手く見極めよう。

「コンボ」は「村」や「祝祭」のようなアクション権が増えるカードであったり、「研究所」のような手札を増えるカードを駆使し、1ターンの間にたくさんのアクションを使う戦術だ。

コンボの強みは、”完成すれば”だいたいステロよりも安定感があり、最大出力も高いことだ。
16金2購入で属州を2枚買う、のような行動を安定して取るためにはコンボは必須と言える。
またステロはターン開始時の5枚に大きく依存しがちなため、下振れが発生しやすく、ケアも効かない。コンボデッキであれば、たくさん詰め込まれたアクションによって事故率を下げることができる。
コンボの弱点は完成するまでの時間。「村」を3枚、「鍛冶屋」を3枚入れたければ単純に6ターンかかってしまう。更に銀貨や金貨を買っていればよりターン数がかかり、属州を買い始められるころには相手は3、4枚既に属州を買っているということも。
如何に素早く強力なコンボデッキを組めるかが実力の見せ所だ。

14ターン

ドミニオンは古来より、「14ターン属州4」ということわざがある。
うまく回ったステロは、14ターンで属州を4枚とることができるという意味だ。
「何の意味があるんだそのことわざに」
それは貴方の作ろうとしているデッキが、何も捻らずシンプルなステロに勝てるかどうかの指標になる。
勿論、敵の妨害やサプライの枯れ具合によって変化するだろうが、14ターンで属州を3枚も取れなければ、貴方はステロでもしていた方がマシだったということだ。
呪い撒きやハンデスが無い場で、14ターンで属州が全然取れそうになかったとき、何か戦略を間違えている可能性が高い。何をしたかを思い出し、次に生かそう。


総金量と平均金量

そもそも金量とは財宝カードやアクションから出るコインのこと。
銅貨×3で3金。「民兵」+銅貨×3は金量5だ。

総金量とは、デッキ内の金量の合計を指す。
初期デッキは銅貨×7屋敷×3なので、総金量は7。
初期デッキから銀貨と「民兵」を購入した場合、総金量は11となる。

平均金量は、総金量をデッキ枚数で割ったもの。
初期デッキの平均金量は 7÷10 = 0.7。
初期デッキから銀貨と「民兵」を購入した場合、平均金量は 11÷12 ≒ 0.92。

総金量がわかったら何が嬉しいのか?

貴方はデッキをうまく組めた。
「村」「鍛冶屋」たっぷりデッキだ。確実にデッキをすべて手札に加える(これを「引き切り」という)ことができる。しかし貴方のデッキの総金量は7。属州を買うことができない。

はたまた、貴方はデッキをうまく組めた。
引き切ることができる上、+購入まで出せる。これで属州を一気に2枚買うぞ!あ、デッキの総金量12しかない。属州+公領すら買えない。銀貨を買おう……。

総金量を把握していることで、このような事態を防ぐことができる。

更に更に、貴方は鍛冶屋ステロをしている。
鍛冶屋を打ち、手札から11金出た。属州を買った。
直前のターンは6金出たので、公領を買っている。
今度は8金が出た。属州を買いたいが、自分が属州を買ったら相手ターンでゲームが終わってしまう……。
山札は残り5枚。次ターンも8金出るなら公領を買いたいが、はて、自分のデッキ残り5枚で8金出るんだっけ……?

総金量の把握は、先の見通しをもたらす、非常に重要なテクニックだ。

平均金量は何に生かされるか?

極端な話、平均金量が1.6あれば、初期手札5枚で8金が出る。
平均金量1.6は、初期デッキを全く圧縮しなかったとすると、銀貨が22枚必要になる。銀貨のうち半分は金貨だと考えると、銀貨8枚金貨4枚で達成可能。
まあつまり、圧縮無しでは達成不可能ということだな。

「鍛冶屋」を打った時、手札は5→4+3で7枚になる。
手札が7枚であれば、平均金量が1.2で8金出る見込みが出る。
平均金量1.2は銀貨2枚金貨2枚で達成可能。鍛冶屋ステロが強い理由だ。

平均金量を把握しておくことで、自分のデッキがどれくらい属州が買えそうかを大体把握することができるのだ。

ターミナルアクションとは何なのか

ターミナルアクションは、「+アクションが出ないアクションカード」のことを指す(玉座とかインプとかそういう野暮なツッコミは無しだ)。
具体的には「鍛冶屋」や「民兵」のようなカード。
打ってしまったらそのターンのアクションは終わり(terminal)であることからターミナルアクションと呼ばれる。

+アクションが無い分、+アクションがあるアクションよりも単純に効果が強力なことが多い。
「鍛冶屋」は4コスで3ドロー、「研究所」は5コスで+1アクション+2ドローと言えば、その差は歴然だろう。

ターミナルアクションを使う際はデッキに入れる枚数に気を付けよう。
ターミナルアクションを同時に複数枚手札に引いてしまうと、片方は使えない。つまり呪いと同じなわけだ。
だからターミナルアクションは一緒に2枚以上引かないと期待できる枚数しか入れない方が良いとされている。
初期デッキ10枚にターミナルアクション2枚を入れるのは怖い。勿論入れるのは自由だが、それでターミナルアクションが被った時に「運が最悪!」と言ってはいけない。自己責任の範疇だ。
大体デッキ7~8枚についき1枚くらいが許容できるラインだ。それでも被ることがある。ターミナルアクションは実に度し難い存在だ。

銀貨と金貨は強カード

ゲーム中盤、サプライに3,4コストのアクションがあり4コインが出たとき、銀貨を躊躇いなく変える初心者はあまりいないだろう。
何故なら、銀貨は弱そうに見えるから。アクションを一杯積んで一杯打ってるプレイヤーの方が強そうに見えるからだ。
しかし、銀貨は強い。金貨も凄く強い。+1アクション+1ドローを4枚打っても属州は買えないが、銀貨4枚あれば属州を買える。
銀貨より今買おうとしているカードは強いか。これは結構難しいが、考え続けるのは大事だ。

更に言うなら、呪いが撒かれ廃棄できない、デッキがどうしてもめちゃくちゃな場では銀貨は本当に強い。
「研究所」を打っても2ドローで呪い銅貨や呪い呪いと引く確率はかなり高い。「研究所」を買って引いて打つよりも、銀貨1枚を引いた方が強い。
銀貨を入れれば入れるだけ平均金量は上がる。荒れたゲームでは特別頼りになる存在だ。

ゲームが終わる瞬間は勝利点を買え!

4人戦、属州が残り3枚。自分ターン。
11コイン2購入が出ている。点数はギリギリ勝てなくもなさそうだ。
そういう時、属州に加えて、屋敷を買うべきだ。
どうせ次ターンは回ってこない。それなら、1点でも高めた方が勝つ可能性が高い。
同様に、属州や3山状況から、「今アクションカード買っても1回打てるかどうかだな……」という状況は結構ある。そういう時、勝利点を買った方が良いのか、1回使えれば十分と考えアクションや財宝を買うのかはよく考えよう。
本当に終わりそうなら、5金出てるなら公領を買った方が良いぞ。


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