森の保育園のお庭の話2

保育園の庭には、絶滅危惧種といわれるものも少なくないそうです。

こちらは、フジアザミ。かなり大株になって、元気です。

いいものは残して、邪魔だと思うものは抜いている、という一角。

オミナエシなどがある

アサマフウロは、もともと園の入り口にたくさん自生していたものを増やしたとのことでした、こちらも珍しいそうです。
イブキジャコウソウは、シソ科で乾燥する土地を好み、日本版のタイムのように使え、イタリア料理に合います。

建物を作るときには、建てることに注力しがちで全体のデザインをあまり考えなかったりします。
水を集めて、はやく川に出してしまうU字溝ですが、イギリスでは、最近、ビーバーにダムを作ってもらうことがあるそうです。水もきれいになり、ゆっくり水が流れていくということは、詰まっているところに微生物が集まり水がきれいになっていきます。ビーバーがいると、水がせき止められて魚を捕まえやすくなるため、カワウソもくるそうです。

乳児さんの棟の奥には、芝生のようになっていて、ハイハイしやすい形になった場所が。草も、頻繁に短くすれば芝生のようになるそうです。
短く刈ると、刈ったところより下に生長点があるものしか生き残れないので、クローバー、イネ科の植物しか生き残れないとのことでした。

こちらはモグラ穴。ミミズがいるんですね。

奥の大きな草むらは、全体をまとめて決まったやり方で一様に刈るのではなく、草によって切り方を分けている、とポールさん。ヨモギのように強いのは、下から切ったり。切るものと倒すものとを作ったりしているそうです。
倒された草は、根を新しく張る。そのときに、植物はいらない根を判断していくようです。

この作業を6月の2週目くらいにやると、色々な花が見られる、と言います。
また、動物がちょっと食べては行き、、ということが自然界にはあるので、そういったことをしたいのもあるとおっしゃってました。
クガイソウもあります。種が埃のように小さいそうです。まいて育ててまたまいて、の繰り返して、育てました。

草むらには、時々はげたところを作って(イノシシが掘り返すように)、そこに日がさすことで、新たな息吹が生まれたりします。モグラ穴も、土がひっくり返され、ずっと眠っていた絶滅危惧種の種が芽吹いたりすることがあるそうです。
そんなこともあって、ここ森の保育園のお庭には、色んな絶滅危惧種が普通に生えていたりします。それでも、手を入れないと、あっという間にヤブ化して、人が入れなくなってしまうそうです。

木を伐採したいと思ったときには、ある程度の大きさと高さだと、県有地だとお金を払わないといけないということもおっしゃってました。材木としての資源、ということなのでしょうか。

こんなところには、草刈り要員としてヤギがいたらいい、とポールさん。
ヤギは寂しがりやなので3頭で飼うといい、とおっしゃっていました。今日はここだよ、と場所を決めてあげるだそうです。「この場所」と決められると、ヤギは好き嫌いしなくなりますが、ある程度広い場所でゆっくり放していると、草の好き嫌いができてしまうのだそうです。

こういった、森と草原の境界域が一番自然を呼べる、中間の木が生えてくるのだそうです。サバンナのような場所、場所としてはケニアやタンザニア。草は刈って芝生のようにしてあげると、子どもの遊び場にもなります。公園だと危ないと言って切られてしまいますが、枯れかけた木も残しておくと生物の多様性が生まれるそうです。

上の写真の、石を使った理由は、地元の材だからということで、風景に溶け込みます。運搬コストにとってもメリットがあります。

野草は、毎年違うのだそう。雨の降り方、切るタイミングなどもあるそうです。

キセワタ。
珍しい野草でも、栽培してみるとすごく繁殖するものもあります。繁殖しなかった理由には、たまたま川があって隣にいけなかったとかかもしれません。カライトソウも、もともとどこかの1つの山の法面しか生えてなかったものが、埼玉や栃木などどこにいっても生えてくれると、ポールさんは言います。標高が高いところに限らないのですね。

キリンソウです。

こちらはタチフウロ。ポールさんが道すがら見つけて、種をとって苗を作ったのだそう。アサマフウロと似ているけど違うのだそうです。

カライトソウは、株分で増やします。私が大好きな植物です。葉っぱが朝露にぬれて何ともいい香りがします!

今回、お話会に出させてもらって、新しい扉が開けたような、全然知らなかった世界をのぞかせてもらい、とても楽しかったです。

ポール・スミザーさん、保育園、森庭クラブの皆さま、ありがとうございました!!!

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