2024.08.21食えなんだら食うな
おはようございます。
近所の有機食品店の店員の方が勧めてくれた動画が執行草舟さんのものでした。私は彼を初めて知ったのですが、幼い頃から怪我や病気が絶えず、若くして奥さんを亡くした苦労人という言葉では片付かないほど壮絶な人生を歩んでこられた人です。
その彼が死ぬほど好きだという関大徹さんという曹洞宗の禅僧の著「食えなんだら食うな」を早速読み始めました。関大徹さんは僧の道を志し、朝10キロも歩いて托鉢によって得たわずかな米を粥にして食べる幼い頃の毎日を過ごし、野良犬のようにゴミ漁りをしなければならない状況も覚悟したことがあったという、これまた壮絶な人生を歩まれた人です。
「食えなんだら食うな」とか「病なんて死ねば治る」という言葉には驚かれる方も多いかもしれませんが、私はこの言葉に自分の好きな道を進むために死の覚悟を持たねばならないという厳しさと同時に何ものにもとらわれない軽やかな生き方を感じます。
現代人は食えなかったらどうしようどころか、食えはしても貧乏になったらどうしようとか、他人からどう思われるかとか、病気になったらどうしようとか、数限りない不安にがんじがらめにされて、自分の道を妥協して制限された人生を歩んでいる人が多いように思います。
その不安を全て取っ払って、毎日今日死ぬのだという覚悟を持って生きることで、逆説的ですが、自分の命を真に大切なことのために燃焼して素晴らしい人生を生きることができるということを言わんとしているように思います。まさに死に狂いの精神、武士道葉隠に繋がる思想をこの禅のお坊さんは持っていたということなんですね。
今の日本は、政治が主導となって、医療も食も教育もそして国際的関係もどんどん悪化していますが、良くも悪くも皆食えていて、それなりに「幸せ」な人生を生きていると思っている人が多いのだと思います。だからこそ、裏で何かが進行していても気付けない。
何でもそうでしょうが、絶望や落ちるだけ落ちて底打ちをしないと気付けないことというのはあるように思います。人は死を意識し始めれば、逆説的により良い人生を歩めると私なんかは思います。
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