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20年以上服が好きなだけ
おしゃれになりたいのに、ただ服が好きなだけである。なんかもうちょっとあるよな、と思うんだけど、結局おしゃれにはならず、ただ服が好きで、毎シーズン服やおしゃれに焦がれている。
いつか、ばかみたいな値段のライダースを買う予定。それをいつにするか、考えてみたりしてる。
昔は組み合わせやセオリーをすごく考えていたものだけど、一周してやっぱりその服自体の魅力というかパワーが強いものっていいなと思ったりもする。一点豪華主義に近いような感覚。
ビームスで、ありし日の大中にあったような真っ赤で派手な花柄で何を入れたらいいんかわからない小ささの手提げを見つけた。
ウインドウショッピングの脳内スキャンの容量が弱くなってきたことを感じる一方、好きなものはあんまり変わらないんだよなって認識を新たにしたり。
あと頭の中で作ってしまった欲しい服を探し回ってしまうのが昔からの癖。そんなの一致するものなんてないのにね。かれこれ数年、理想のフェアアイル柄ニットを探している。
「おしゃれ官軍」みたいな空気の中で思春期を生きて、「みんながみんな自分のように洋服が好きなわけではないんだな」ということに気がついて、そして今。「推しは推せるときに推せ」ではないけれど、自分の好きな洋服屋さんが永遠でないことをしみじみと感じたりする。なくなってしまったブランド、こんな雰囲気だったっけ?と思うお店、数十年の間に色々ある。好きな洋服屋さんが好きなときのままでいてくれた喜びは染みる。
おしゃれではないけれど、生業でもないのだけれど、わたしは確実に身につけるものを生きがいのひとつにしている。