【進撃の巨人】メタ的視点から「ジャンとミカサが結ばれた」と思われる根拠を挙げる
未だにファンの間で「ミカサはジャンと結婚して子供を作ったんだ。グリシャが2人の妻を愛したように、ミカサはエレンのこともジャンのことも愛したはず」「いや、ミカサは死ぬまで独り身でエレンを想い続けたに違いない。ジャンはそれを支えてただけで結婚はしていない」「そもそもあの後ろ姿はジャンではない」など、様々な考察が飛び交う『進撃の巨人』34巻の加筆ですが、ジャンミカ成立説を強く推す私の考えを、原作者インタビューなどを参考にしたメタ的視点から挙げてみます。
1.連載初期からジャンの恋心が描かれている
諫山先生が「打ち切りの恐れがあって、過去編(訓練兵時代)でのキャラクターの掘り下げがあまりできなかった」(https://pocket.shonenmagazine.com/article/entry/isayama_interview_2)と話していた頃の1〜4巻で、ジャンからミカサへの好意がこれでもかと言うほど分かりやすく描かれています。
実際に4巻15話〜17話を読み返すと、初見はギャグ回にしか思えなかった過去編が、実は後々回収される伏線だらけなことが分かります。連載初期はそれほど削りに削って重要なシーンしか残されていないのです。その中でジャンがミカサに惚れるシーンまでハッキリ描かれているのは、これに重要な意味があるからだと思えませんか。
2.第127話「終末の夜」でジャンの恋心を掘り返している
「いやいや、初期からあるからって、その頃から結婚させるつもりで描いてたとは限らないでしょ」と思われたかもしれません。ライナーは既婚者に劣情を抱く男になってしまいましたもんね。ですが、諫山先生のインタビュー(https://youtu.be/nR0puL5M5YA?si=jSNjK1cBX3vsGf2D)にて、「『もともとは伏線じゃなくても、伏線にする』という作り方をする」といった発言があります。ミカサに助けられた少女ルイーゼや、サシャに命を救われた少女カヤも、初登場時には考えられていなかった伏線だと思われています。そのように、「初期はただの片想いでしかなかったけど、物語が進むにつれ結婚させることにした」という可能性もあるのではないでしょうか。
その根拠として考えられるのが、第127話「終末の夜」冒頭のシーンです。長い間影を潜めていたジャンの片恋描写が、「ジャンの妄想の中の嫁の姿がミカサである(よく見ると頬に傷があります)」という形で突如掘り返されているわけです。物語も終盤であるこのタイミングで、です。もしも、ジャンの恋の伏線が「放しやがれ!!」(第49話)で回収されていたとすれば、わざわざ読者に「ジャンはミカサのことが好きだ」ということを終盤で思い出させる必要はないはずです。つまり、この片想いの伏線回収が必ずそれ以降にあるはずで、それが「ジャンとミカサの結婚」なのです。? そんなことすぐわかるだろ?
3.アニメで「ジャンとミカサが結婚した」ことに矛盾する描写がない
諫山先生は、たびたびインタビューで「自分が漫画で『こうしておけば良かった』と思うシーンをアニメでブラッシュアップしてもらっている」というような発言をしています。原作者である諫山先生は、読者の感想をけっこう読んでおり、それを受けたアニメスタッフへのリクエストも多いのです。例えば、放送前はほとんど考察されていなかった「グリーズはニコロが好きだった」という説は、アニメで涙が強調されたことによって分かりやすくなっていますし、「ヒストリアの娘の父親はエレンではないか」という説は、アニメでのヒストリア娘の髪や瞳のカラーリングによって丁寧に否定されていると感じました。
それを考えると、もし先生が「ジャンとミカサは結婚したわけではない」と視聴者に思わせたかったなら、ミカサの夫と思われる人物の髪色をジャンの髪色と似せなかったはずです。しかし実際はアニメでもジャンと同じ髪色なのです。髪型も合わせて、むしろ「これはジャンである」と主張しているように思えます。
あと、棺に入ったミカサの左手の薬指に指輪らしきものが見えます。漫画では無かった演出が追加されているのです。エルディアの文化は知りませんが、少なくとも原作者である諫山先生の故郷であり、ミカサと縁のあるヒィズル国のモデル国とされる日本においては、結婚指輪を嵌める指は左手の薬指とされているので、まぁ、そういうことなんでしょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。まあ真相がどうであれ、ジャンがミカサを想い続けたという事実だけで私は萌えることができます。ジャンミカ大好き!