秋春制移行後のカレンダー試作
シーズン移行にまつわる議論が日本のサッカーファンを賑わすようになってからしばらく経ち、26年夏からの移行がいよいよ現実味を帯びている。具体的な情報も増え、だんだんと煮詰まってきたなという感じもあるが、実際のところどういうスケジュールが組まれるのかというところを具体的にイメージするため、今年の4月にも行ったシーズン移行後のカレンダー試作を改めて行った。
また、より日程が過密になっていくということはすでに多くの人の共通理解であると思うが、この試作を通じて過密日程となる要因がさらに明確になった。
カレンダー作成のルール
まず、最新の情報を踏まえ、以下のような条件をつけた。
これらの条件に基づくと、年間でリーグ戦38試合、ルヴァンカップ5試合、天皇杯6試合、ACL13試合、そしてFUJI FILMスーパー杯の計63試合を最大でこなすことになる。なお、カレンダー作成にあたっては、最も日程が過密になる場合を想定し、予備日はACLのセントラル開催期間に行われるリーグ戦の分以外は設けない。
26-27シーズンのカレンダー
まず紹介するのはW杯直後にあたる26-27シーズンのカレンダー。8月頭に開幕し6月上旬に閉幕するスケジュールとなっている。
A案では8/1-6/5の間で試合を行える最大の日数(週末及び水曜日の数)が75日、うち11日がINWと被り、この中でカップ戦を6試合、それ以外の日で公式戦を57試合行う日程となった。INW以外の期間で試合を行える日が64日であるため、すべての大会で勝ち進んだ場合、INW以外での1週間のブレークは64-57=7回となる。(ACLセントラル開催という特殊な日程を考慮し、カレンダー上では1回少なくなっている)
B案では、A案よりもウインターブレークが2週間長い(3週間とする話もあるが、非現実的なため仮に2週間とした)ことから、年間で試合を行える日数が71日となる。INWの期間は変わらないため、A案と同様に11日は開催できる試合が限定され、それを除く開催可能日数60日で57試合をこなすスケジュールとなった。
これを踏まえると、B案を採用するのは少し厳しいように感じる。W杯直後かつすべてのコンペティションで勝ち上がるという極めてレアな条件付きではあるが、INWを除けば3回しか丸1週間のブレークがないというのは、いくら選手がそろっているクラブでも過酷だろう。
27-28シーズン以降のカレンダー
続いて、W杯が無い年のカレンダーがこちら。A案B案ともに、開幕を1週間早め2試合分の余裕が生まれた。多くのシーズンはこちらのカレンダーに近いスケジュールで行われることになる。
INWを除く1週間のブレークは最低でもA案で9回、B案で5回は確保されることになり、現行のシーズンよりは過密であるものの、現実味を感じるようになった。
過密日程となる理由
ここまで4パターンのカレンダーを紹介したが、その過密さを無視することは難しい。そこで、従来のカレンダーと比べ変更のあった要素をピックアップする。
以上が今シーズンから26-27シーズンにかけて行われる変更の中で、主に日程に影響を及ぼすと思われる要素と具体的な内容である。注目すべきは今季も設置された夏季の中断期間で、2、3週間のブレークはシーズン移行するかどうかに関わらず存続するものと思われる。
また、リーグ戦の試合数増加も影響を与えている。増加する2クラブとのホーム&アウェイ合わせて4試合がミッドウィークに入れられることになり、計算上は丸々1週間のブレークが4つ減少することになる。ただし、ACL不出場クラブに限っては、ルヴァンカップの試合数が減少するとみられるため、試合数は今までとほぼ変わらないだろう。
ちなみに、INWの変更については、従来が3月、6月、9月、10月にカップ戦を6試合程度開催し、11月は完全な中断期間となっていたのに対し、シーズン移行およびINW期間の変更後は9・10月、11月、3月にカップ戦を同じく6試合程度行い、6月はオフシーズン期間となる。つまり、細かい変更はあるものの総合的に見れば日程への影響はない。強いて言うなら、シーズン終盤に代表戦が入らなくなったのがメリットと言えるくらいだろう。
まとめ
W杯直後のB案は日程を緩和する調整が必要。それ以外の案だったらなんとかなるかも
主な原因は「夏季の中断期間」「シーズン移行によるオフシーズン期間移動」「試合数増加」
期間短縮&試合数増でミッドウィーク開催が増加
ACL出場クラブは過密日程不可避