日本とスイスは違う
※ 2018/10/18 excite blog からの転載
今回はスイスからのエントリー。
恒続林についての理解を深めることをテーマとして、Pro-Silva Swiss(スイス恒続林協会)やWSL(連邦森・雪・ランドシャフト研究所)、さらに現場フォレスターの案内で複数の異なるエリアの施業林などを訪問しています。
その詳細についてはおいおいご紹介する機会があるかもしれませんが…、今回いつもに増して感じたのは、人によって・現場によってやっていることや言葉の解釈が本当に違うということ。でも、当たり前なのです。なぜなら同じ人・同じ森というのは2人・2つとないから。
スイスの事例のご紹介をさせていただくとき、「日本とスイスは違いますよね(なのに意味があるんですか?)」という話になります。そのとおりです、日本とスイスは違います。そして北海道と九州も違いますし、和歌山県と奈良県も違う。森づくりや山仕事は突き詰めていけば、鈴木さんと佐藤さんの山も違いますし、数メートル離れれば森林立地(動植物が生きるための様々な条件)は異なります。
なのに私達は、お隣の山から海外まで含め、なぜ外の世界に出かけ、何かを学ぼうとするのでしょうか?
外に出るときに気をつけなければならないことがひとつ。例えば、吉野林業地を視察した外国からの林業技術者がいたとします。帰国した後に本国で「日本の林業とはこうでした」と紹介されたら、日本の林業関係者はほぼ全て「いや、それは…」となることでしょう。
でも、私達も同じことをやっている可能性があるわけです。スイスのある現場を見てスイスの林業は・ヨーロッパの林業は、北海道のある現場を見て北海道の林業は、鈴木さんの山の一部を見て鈴木さんの山はこう、と都合の良いように解釈していないか。
違うのは当たり前。しかし、学びのない森などない。そして世界中のどこであろうとも「何のために」が自身と共通している現場であればあるほど、そこで学べることは大きい。そして、失敗の原因は結構どこでも共通している…。たぶんポイントはそこだと思います。
参考記事:
スイスから何を学ぶのか
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