木を伐るときに考えたい優先順位
ひとつの考え方。
1.Safety 安全性
2.Take timber out easily 搬出しやすい倒し方
3.Keep quality of forest 森を傷つけないこと
4.Easiest way for worker 作業員にとって最も簡便な方法であること
5.Keep quality of timber 伐倒木の品質
1〜5の各項目は互いに影響し合う。
例えば、2搬出しやすいということは、3森を傷つけないということにも影響する。3森を傷つけない(品質を維持する)ということは、他の立木や若木、土壌を傷つけないと同時に、生物多様性にも配慮するということ。
そして、5伐倒した木の品質が優先順位の最後に来るのは、目先の利益のために作業者の命や森のクオリティ(永く稼ぐための)を危険に晒してはならないという意味。
トータルで一番得になるのは…を突き詰めるとこうなる、というひとつの例。
目先の生産性よりも安全性を優先すべしと現場では強調されるが、往々にしてそれは建前論になる。AかBかではなくて少し複雑に考えたほうが、安全対策に現実味を持たせられることもあるかもしれない。
この5つの項目と優先順位は、スイスの森林作業員教育で徹底的に叩き込まれるもの。だからプロの作業者はこの順番に従って仕事をするのが当たり前になっている。それを可能にするのは、持続的利益を追求するという業界のコンセンサス(共通認識)だ。
ただし、2〜5については林分の状況やマーケットによって順番が変わる可能性もある。だから、私はこの順番を真似するべきとは言わない。
大事なのは、何かと何かがバッティングしたときに優先するのは何なのかをあらかじめ決めておくということで、それはマネジメントを担う立場の人の責任だということだ。
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