広葉樹の国フランス〜「適地適木」から自然林業へ
門脇仁著/築地書館(2024/5)
「多様な森づくり」の先進地というと、どうしてもドイツやオーストリアが取り上げられがちですが、広葉樹林業ではフランスに一日の長があるのはなかなか知られていません。
恒続林のルーツも、ドイツだけではなくて、フランスからの流れも実は重要だとスイスで聞きました(フランスではイレギュラー・フォレストと言います)。
フランス林業だけをテーマに書籍化されたものはとても珍しいです。文化・歴史面からの考察にスペースを結構割いているのが、林学系ではない著者ならではの視点とも思いますが、自分にはそれが新鮮に感じました。でも大事ですよね、と。
明治以降に日本にヨーロッパの林学が入ってきて以降のこと、フランスと日本の自然環境の違いにも触れられています。このあたり、諸外国の林業を紹介する書籍もどんどん洗練されてきているなあという印象。
違いがあるのはもちろん、でも共通した原理原則もある。そういう視点で見れば、学びの多い一冊になるでしょう。
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