動く前に見る・考える
林業学校で事故対応の授業を担当していますが、そのなかで「赤・黄・緑信号の訓練」というものをやります。事故現場に遭遇したときに、あなたはどう動きますか?という演習です。
救命救急で最悪の状況とは、救護者が二次災害に巻き込まれて後の救護活動がストップしてしまう事態です。しかし、初めのうちはほとんどの人が赤はできても黄で動いてしまいます。
これをケーススタディで何度も繰り返すうちに、だんだんと3段階の行動ができるようになっていきます。
赤信号と黄信号はすなわち観察と考慮なのですが、言い方を変えると「センサーを研ぎ澄ませて、何がノイズ(危険要素)なのかを受信する」という作業をしています。
緑の段階では実際には考えながら動くことをしています。その前に赤と黄(合わせて10〜15秒程度でしょう)を置くことでパニックと二次災害、加えて見当違いの対応を防ぐ効果が期待できます。
これは林業現場向けの訓練・演習ですが、人は何かにつけ行動を起こさないと気が済まないようにできている動物のようで、さまざまな職種の訓練方法を拝見していると、この行動したい欲をいかにコントロールするかの工夫がされているように思います。
理論を教えて頭で理解するだけではダメで、体を動かす訓練が必要な分野があるということは肝に銘じておきたいものです。
ノイズといえば、一昨日こんな記事を書きました。ご参考まで。