『ブラジル 消えゆく民主主義』
2019年7月18日
Netflixで鑑賞。
映画評論家 町山智浩さんが
ラジオ番組『たまむすび』で
紹介しているのを聴いて、
関心を持ち、鑑賞。
私は、ブラジルに友だちがいて、
小まめにLINEでやりとりしているが
ブラジルの情勢を詳しくは
聞いたことがない。
1999年の春に、ブラジル紀行を
楽しんだこともあった私なのだが、
①ブラジルを知らない
ということだ。
ブラジル→サンバ、サッカー、アマゾン川、
みたいなことだ、恥ずかしいことに…
この30代の美しき女性が、
このドキュメンタリー作品の監督
ペトラ•コスタ
両親は、民主化運動家、
ブラジルの歴史を、見事な勇気で
撮り、世界中に発信している。
とはいえ、勉強不足で、ブラジルの
真実を知らない私が、この1作だけで
全てを判断することは、できない。
しかし、こんな無知な私に
一石投じてくれた、命がけの
作品であることには間違いない。
②民主主義
とは…最近、韓国映画でも民主化運動を
描いた作品も、観る機会が多いが、
民主化運動によって、民主主義を
勝ち取るという意味合いが、
わからない、というか実感がない。
それが、高度経済成長期の日本に
生まれて、勉強しないで、遊び呆けて
きた私の悲しさだ。
ルーラ↓
ジウマ↑
ブラジルを変革させ、
経済を変え、ブリックスにまで
興隆させた立て役者、英雄たちが、
追い込まれていき、国政は変動する。
監督が、右派なのか、左派なのか、
保守派なのか、リベラルなのか、
もう、ブラジルには、そんな概念が
適応できない、ただならぬ脅威が
画面から伝わってくる。
③人の心という恐怖
ブラジルという国に
民主主義をもたらせ、
経済的にも復興させた
大統領と元大統領へ、怒りをぶつけて
政変は起きていく。
しかし、真の原因、真相は、
よく分からない。
法の執行、マスコミ、
群衆心理によって、国とは、
こうも簡単に瓦解していくのか…
しかし、それらは、元を辿れば、
1人の人間の心と知性で成り立っている…
いったい、何によってスイッチが
入り、行動化されていくのか…
ブラジルのことを知らなかった…
さらに、今のブラジルのことを知ると
いったい、民主主義とは法とは
何なのだろうか…
この現象は世界のいろんな国で
起きている…
これは、ブラジルの女性監督の撮った
ドキュメントだが、
もし、外国人監督が撮ったら、
どう映るのか、
そして、日本の国を撮ると、
どうなるのか…
『万引き家族』が何故、世界で絶賛されたのか。
『私、定時で帰ります』が、
何故、ニューヨークタイムズが
取り上げたのか…
そして、日本の政治を、
日本人映画監督が撮ると、どうなり、
外国人映画監督が撮ると、どうなるのか、
そんなことを考えさえてくれただけでも、
貴重な一作をNetflixで鑑賞することが
できた。
早速、サンパウロにいる
友だちにメールしようと思う。