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のけもの達の感情【アルバム解説】

お疲れ様です。極貧創作VTuber兼ボカロP兼イラストレーターのいさふしイチイです。

https://www.youtube.com/channel/UC8dP4-5doLoY3-6-gppkvpw


 去年の6月11日に「stay!のけもの共」というアルバムを出しました。主に1年ほど放置していた曲で構成されたものなので、当時の振り返りを兼ねて解説していこうと思います。


01 の、けもの

 投稿が2021年の12月ですが、サムネに手間取って結局発表まで7ヶ月くらいかかっています。私の本名は遅杉謙信です。

 この曲を作った時は本当に精神状態がドブカスのドン底で、やらなければいけない事が体調不良で出来なかったストレスであまり記憶が無いです。確実に覚えているのはまっすぐ歩けなかった事だけです。


半年ほど寝かせたラフ

 当時のストレスとプレッシャーは本当に凄まじく、体調のせいとはいえやるべき事に着手できない劣等感や周りの人間にかなりナメた対応をされていた怒りでムチャクチャになっていた記憶があります。その毒素をそのまま曲にしてお出ししたのがこの作品なので、今聴くとかなり稚拙で聞き苦しいな~と感じます。これからの人生において、今後もこの曲が稚拙で聞き苦しいものであればいいと本当に思います。


02 ステイタイ

 「stay」と「停滞」と「痛い」と「遺体」をかけたタイトルです。これは比較的作るのに時間がかからなかったと思ったらそうでもなかった(作詞開始からMV完成まで4ヶ月)


イラスト:錦橋鉱さん

 前作「の、けもの」より外側への攻撃性が増していて精神状態の改善が感じられますね。当時はメタバースで遊んだり多肉植物を飼い始めたり漫画を読み始めたり、新しく始めた事がプラスに働いたんだと思います。
 ちなみにこの曲を書くにあたって、佐塚弾純先生の『グリッドマン・ドグマ』にかなり影響を受けています。

https://kuragebunch.com/episode/3269632237305133575

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マジで全人類読んでほしい。「ヒーロー」か「愛」に一家言ある人は特に読んでほしい


 また、ここで初めてMVをやってみようという気になったようで、イラストも錦橋鉱さん(https://twitter.com/Aragane_gane )に依頼して背水の陣を作って臨みました。


他の人に「メチャクチャ丁寧で感動した」と言われたラフ

 結果としては、まあ初めてのMVだったのでクオリティとしてはそこまででしたが、改善点がわかったりして「案ずるより産むが易し」と「百聞は一見に如かず」……ってコト?!という気付きを得ました。「習うより慣れろ」、私の好きな言葉です

 音楽としては、かなり意識して韻を踏むことを始めたので歌詞が少々難産でした。ただ言葉遊びの点では「痛い」「遺体」「死体」「芝居」など、単語で畳みかける事が出来たので今度はラッパーがやってる文章単位で韻を踏むやつをやりたいです。あとはチップチューンをやるにも音に厚みが足りない、ワンパターンなどの改善点をどうにかしようとしてできなかった努力の痕跡が見られて私は好きです。


03 夜行人間(書き下ろし)

 これは確か「の、けもの」と同時期に書いた詞が1年経って気付いたらポエトリーリーディングになっていたやつです。
 時期が時期なので詞が病んでいる。ただ韻の踏み方は気に入ってるので微妙に切り捨てきれない、そんな歌です。


04 Laugh and Knife(書き下ろし)

 これは高校生の頃に好きな作品をイメージして書いた曲を改めて書き直したものです。インスピレーション元の作品はグロくて人を選ぶのでここには書きませんが、自分の価値観にかなり影響を及ぼしている大切な作品です。

 テーマは失望です。


05 ばけもの

 「の、けもの」のアンサーソングです。テーマは「夜」「開き直り」。スピード感があって好きな作品です。
 私はコード理論がわからないのですが、わからないなりに丸サ進行を魔改造して作ったのでなんとなくまとまりがある気がします。コード進行って大事なんだな……と痛感させられた曲です。この曲を作った後コード進行の本を読んだりネットで調べてみたりしたのですが、未だに何もわかりません。助けてください。

 テーマのひとつである「夜」についてですが、「化け物が昼間を呑み込みに来た」があります。このフレーズは「もしかして夜って太陽光で生まれた地球の影の部分なんか?」という義務教育レベルのことを詩的に表現できるな……という気付きから生まれた歌詞です。短くまとまっていながらけっこう気に入っています。
 また、「の、けもの」のアンサーソングとしての側面を持つテーマの「開き直り」ですが、ジャケットのイラストの女の子は髪型やピアスなどから「の、けもの」の子と同一人物に描いています。前作と違い軽快なリズム、こちらに語りかけるような歌詞から鬱屈した感情が裏返って攻撃的になったイメージで書きました。精神的に受け身であるより攻撃的であるほうがまだ健全だと考えているので、前作を書いていた時の感情の落としどころが定まったかな、と思います。


06 DDOD

 アルバムのエンディング曲です。テーマは「創作讃歌」「書き続けろ」です。最後くらい明るくしないとな……の気持ちで曲順を最後に持ってきました。暗めの書き下ろし2曲の後にばけものと今作を持ってきたのはそういう意図があります。今までの作品と比べると、明らかにかなり前向きになっているのではないでしょうか。

 この曲を書いた背景に、大学の友達とGEOに行ったときに「魔界転生(ジュリーの方)面白いよ」って言ったら「邦画でしょ?邦画はつまんないから時間の無駄。洋画しか見ない」と名作にも関わらず決め付けられて内心ブチ切れたエピソードがあります。
 私はクソ映画を見てキレ散らかしたり「どうしてつまらないのか」を考えるのが好きなのですが、その点で彼女のスタンスにどうしても共感できませんでした。そうしてなんやサブカル女の癖に視野が狭いなじゃあお前んこと歌にしてやらあよ、と「ヘイト?食らってそれが何だ 上等な物だけ食ってろブタ」を書きました。ロックですね。
 この曲は全体的にそういう反骨精神で書いていた所が大きいです。自分の中でもなかなかこういう曲はこれからも出ないんじゃないか、という仕上がりになっていると思います。

 また、私は世にはびこる「綺麗事はダサい」という風潮が大嫌いです。これはテーマの「創作讃歌」と通じる部分ですが、「創作の中でくらい綺麗事を通させてくれ」という思想のもと「ヒーローが綺麗事言わなきゃ誰が代わりに言うんですか」という歌詞を書きました。
 歌の最後の「じゃあまた どっかで会おうぜ」は、病んで垢消ししてもまた新しい名義で創作を始める人っているじゃないですか。そういう人みたいに前向きでも後ろ向きでも創作者には創ることを続けてほしい、という思いで書いた歌詞です。

 まとめとして、このアルバムに一貫して存在するのは「後ろ向きに前進する力」だと思います。前期のどん底感や後期の開き直りによる推進力など、当時の感情がそのまま反映されたアルバムになったのではないでしょうか。

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いさふしイチイ
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