初めてカリスマに触れ、猿川慧さんの歌に人生と救いを見たオタク
先日、尊敬する友人かつ先輩が「ラップの作曲に挑戦してみたい」とのことで(その後数日で必要なソフトを揃え、バトルアンセムみたいなやつを1曲仕上げていた。すごすぎる。創作のストレイト・クーガーかもしれない)、ボカロからCreepy Nuts、シッコマンインザパーティまでのあらゆるヒップホップ曲を紹介してもらいながら複数人で聞いていた。
その最中、「超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』というコンテンツのオレンジ色の伊藤ふみやさんという方はラップがすごい」と聞き、試しに「Charisma Battle Anthem」を視聴した。
めっちゃかっけえ……。韻がかってえ……。
少し気になってきた。まずWikipediaを見る。
おい!!オーケン(特撮名義)とヒプマイさんと同じレーベルじゃねえか!!!!!
通りでオーケンをフォローしていたら、年に1回くらいのペースで巨大なオーケンとヒプノシスマイクの皆さんが一緒に写っている狂気のようなイベント画像が流れてくる訳だ。あれマジで何なんだ。
そしてあらすじとキャラクターにも目を通す。
要約すると「何らかの突出した才能を持つ若者が、仮住まい(カリスマとかかっていてとてもいいと思った)でシェアハウスをしている様子を描くコンテンツ」ということがわかった。そして服従のカリスマ(何?)である本橋さんの声に聞き覚えがあると思ったら、声優の方がウルトラマンZのセブンガーでお馴染みの福原かつみさんで活躍に少し嬉しくなった。
ただ、
・性のカリスマの天堂天彦さんという方は低気圧になると股間が痛む
→百歩譲れば体調不良と取れるがちょっとよくわからない
・天堂さんは台風の日になると陰茎が取れそうになる
→本当に、本当に、全く、わからない
ここだけは変な圧が強くて本当に怖くてわからなかったが、とりあえずいい意味でクセが強くて変なコンテンツというのはわかった。Wikipediaって怪文書載せてもいいんだ。
そういえば伊藤さんの「Charisma Battle Anthem」の途中で、波羅夷空却さんみたいなヤカラっぽい歌い方をしている人とDOTAMAさんや入間銃兎さんのようなフォーマルメガネハキハキラップ族みたいな人がいた記憶がある。調べた。
カリスマの公式サイトを見る。
ヤカラみたいな歌い方の人は猿川さん、フォーマルメガネハキハキラップ族の方は草薙さんで、やはりフォーマルっぽい服装と性格で眼鏡をかけていることがわかった。
ヒプノシスマイクと同じレーベルなので、楽曲のクオリティの担保と好みの方向性は似ているだろうと判断した。私はナゴヤとヨコハマとシンジュクをよく聴く(オオサカはCreepy Nuts担当の曲だけ聴いている)。なんかスクロールしてたら目に入った「リカピュア」という"恐怖"と"圧"からいったん目を背けて、試しに猿川慧さんの「LONE WOLF」を聴いてみる。
「LONE WOLF」
なんだこれは?!
"""人生"""そのものじゃないか!?
これ、私のことだ……(定型文)
あまりにも"人生"すぎる。一生ふさがらない傷が抉られるように痛む人生の歌だ。苦しい。これが出てくる猿川慧さんって何者なんだ。どんな人生を送ってきたんだ。
家庭内ですら孤独感を覚えていた自分にはあまりにも深く刺さってしまった。悪い山王連合会みたいな語彙と行動の母とマイペースすぎるサブカルオタクの父に育てられ、性根の腐った祖父母にいびられ、親の理想通りの出来の良い弟に挟まれていたからだ。
私は家族に対して、下手に家族として生まれてしまった不幸と申し訳なさを抱いている。なまじ家族だから疎外感を覚えるのであって、最初からひとりか他人だったらこんな感情は抱かなくて済んだと思っているため。
そしてちょうどこれを初めて聴いた時期、ストレス性の解離性健忘の疑いと人の相談を受けすぎたストレスによる記憶障害で友人2人に迷惑をかけていた。迷惑をかけた本人たちとは疎遠に(※後に1人とは保護観察付きの和解)、それを端から見ていた相談を持ち込んだ本人は私へ社会性フィルターを通した障害者差別発言を発した上で、リムーブは無いがその人の周囲の人間からあからさまにミュートされているような状態だった(3〜4月以降は私のツイートや配信にだけ反応がなくなった。最近は一部の人を除いて緩和している)。
その流れで3年近く50万円相当は軽く超える無償労働をしてきた相手は私だけでなく「貴方には貴方に合うご友人がいると思うので"そのような"友人と関係を築いてください、私はもう付き合えきれません」と突然私の友達ごと貶める捨て台詞でブロックしてきた。仲介を頼んだ人にも発達障害であるというレッテル貼りとキツい言葉で当たられてTwitterをブロ解された。知らないうちにDiscordで所属していたコミュニティから私を抜いて少数精鋭をピックした事実上の隔離サーバーが作られていた。そしてそれらを相談していた漫画家志望の知り合いから、セクハラ被害者が聞いたらフラッシュバックするようなひどい内容のことも何度も言われた上で、私とのレスバに負けてファンネルを飛ばした挙げ句全てのアカウントでブロックして逃げた。
つまり、孤独だった。
誰も頼れない。
謝ろうにも無視か生返事で門前払いされる。
ストレスによる不眠。深夜覚醒。
駅のホームの椅子で焦りながら遺書を書く夢。
報復としての死を求めて危険乙4の取得を選択肢に入れる。
「相互理解」をテーマにした大好きなアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」の楽曲が上滑りして聴こえる。立花響がくれた優しさを使い切ってしまったことがひどく悲しかった。
これから乗る新幹線を見て血の霧を連想する。
私にとっての孤独とはこういうことだった。
本当に私のことだと思った。
歌詞の続きを見る。
ここからわずかにでも希望を抱いて抗うことができる人間がいるのか?本当に猿川慧さんって何なんだ?猿川慧さんってどんな人なんだ?
確かに何かするのに仲間は時折必要だが、必ずしも友人を作らなければいけない訳ではない。でもそれは私にとっては辛すぎる。
ここでもう1曲あることに気付く。聴きたい。知りたい。猿川慧さんの人生観みたいなものをもっと知りたい。
という訳で、聴いた。
「ツッパれ!生涯反発」
なんだこれは?!
私に足りないものが全部あるじゃないか!?
反発・ツッパリ・明るさ――私の人生に足りないものがだいたいある。まるで聴くタイプの臓器移植だ。
自分で言うのも何だが、私は小学生から大学に入って心身を壊すまでは人の言う事をよく聞く模範的な"優等生"だった。
小学校は毎日往復8kmを登下校し、皆勤賞でテストも常に満点。中学校の最初のテストはほぼノー勉で全クラス16位以内。宿題を忘れたこともない。高校は時間を勘違いした卒業式以外は無遅刻無欠席。ほどよく部活にも励んだ。卒業時にはもっと優秀な人が何人もいたし、特段何が優秀だったのかはわからないが何らかの優秀賞をもらう。その景品の図書カードでクトゥルフ神話TRPGのルールブックを買った。冒涜的な優秀生徒だった。
初めて遅刻した卒業式が終わったその足で友達とカラオケに入り、学校の金で買ったばかりのルールブックで初めてのCoCをやったのはいい思い出だ。
その自分が――ハイもローも打ったら体幹がふらつくしバイクは好きだが視力の問題で免許すら持っていない自分が、人生と真逆のコテコテのヤンキー文化の文脈の楽曲に惹かれてやまないのは何故だろう?考えてみる。
ふたつ、心当たりがあった。
思えば昔から、いつも母の用意した見当外れな選択肢の中から行動を選んできた。
友人関係でも、主張を押し切れず折れたり流されたり、都合よく利用された挙げ句トカゲの尻尾とかゴミみたいに切り捨てられることが何度もあった。
用意された選択肢が気に入らなかったら破り捨ててもいいのか。主張をゴリゴリ押し切ってもいいのか。蔑ろにされたらキレてもいいのか。利用されたら怒っていいのか。タダ働きに抗議してもいいのか。コケにされたら中指を立てていいのか。
「反発」してもいいのか。
目からバカみたいな量の鱗と涙が落ちた。
大学。「家族の誰も一人暮らしをしたことがないから」「自分で選んだ大学だから」「こっちも生活が苦しいから」「そもそも進学なんかするから」という理由で母に一人暮らしを止められ、毎日合計6時間ほど満員電車に乗っていた。痴漢にもあった。母も痴漢も怖くて逆らえなかった。
留年もさせてもらえないから1年目から制限ギリギリまでフル単で入れて、帰っても課題を全部こなすので毎日3時間しか眠れなかった。最終的には朝の満員電車の中で突然号泣したり深夜に泣き叫びながら壁に頭を打ち付けるようになり、心身ともに壊れて治らなくなった。
再起不能なまでに壊れてからようやく一人暮らしが認められた。しかし5年ほど経った今も、常に不安で頭がおかしくなりそうだし薬があってもロクに眠れないしすぐ死のうとして正式なフォーマットに則ったハンコ付きの遺書を書くし体力はないしで、心身ともに壊れたままだ。たぶんこれからもそうだろう。この手のやつは寛解はすれど治ることはない。
私はあそこで自分のために「反発」するべきだったんだろう。きっとするべきだった。でも、いわゆる国語だけはノー勉でも得意な真面目系クズの"優等生"で、押しに弱い意志薄弱人間で、母に殴られるのが怖いビビりだったから「反発」できなかった。いや、言い訳するのもダサい。シンプルに弱かっただけだ。
でも、この歌には私ができなかった「反発」がある。この歌にはマットレスも低反発な私に足りないパーツが全部揃っている。
不利益は無視するかぶっ壊して、アクセルだけで突っ疾る。
ガタガタのブレーキをまるで命綱みたいに握りしめて生きてきた自分にはまだ難しい。でも、やったら絶対に生きやすくなる。
性別による帰属意識が希薄なので「男なら誰かのために強くなれ」も「行くよ、女の子!」も、曲を聴いている時だけはその性別になって元気をもらっていた都合のいい人間だ(そもそも英雄は「女もそうさ」と言っているのでどちらにも対応している。ただそれ以外は対応していない。時代だね)。故に、すごく響いた。ブレーキっていらないんだ(いるぜ)。
だから猿川慧さんのこの歌を外付けのエンジンにして、ほどよく「反発」して疾走っていこうと思う。
これは蛇足だが、ド直球すぎて根回しをしたり人を利用したりする器用な真似ができない私のような不器用人間がこなせる処世術は3つだけだと思っている。
ひとつ。「客観でも嘘をつかない」。
ふたつ。「恩を仇で返さない」。
みっつ。「義理と筋は通す」。
これだけだ。というかこれしかできない。本当に不器用だから。
ちなみに健忘で無意識に「嘘」と「恩を仇で返さない」に触れてしまい人間関係が破綻したので、これは割とマジだと思う。
ちなみに、できるならもうやってる枠に「自分のコンディションを自覚する」「距離を取る」「いらん情報は出さない」「面倒くさそうなら断る」「見捨てられることを恐れて媚びることをしない」があるが、今回は割愛しておく。
まとめ
以上が、猿川慧さんというカリスマに出会ったその日に人生と救いを見た凡人の記録です。
本編は元気のある時に見てみたいと思います。先輩の凡人の方で、もしオススメ回などがあったらTwitterやマシュマロ、コメントで教えていただけると嬉しいです!
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