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大型台風の接近に寄せて Vol.4

鴨川市役所の正面のガラスは割れており、役所の車が横転している。
庁舎に電灯は灯っておらず、あまり人がみられない。
市役所の中に入ると、割れた窓から吹き込んだ風で、書類や備品が散乱してるが、電話は鳴っていない。
役所の方に「被害者の避難場所とかは開設されていますか?、水とか食料の配給はあるのでしょうか?」と声をかけると、「今、準備をしているところです。お近くの支所で開設されるとおもいます」との返事。
市役所の外に出ると、真夏の青い空が広がり、気温がぐんぐんと上がってきており、動かなくても汗がでてきます。
次に天津の支所を訪れると、海側の窓から風が入り涼しい。
受付カウンターから、目の前に座っておられる女性に「どこかで避難場所は開いていますか?お水や食料の配給の予定はありますか」と尋ねると「避難所の開設はしてません。水などの配給もしません。みんな同じ被害を受けているのだからしかたないです。」と、意味不明の返答。
フロアーに机を並べて座る7名ほどの職員さんは、ただ座っているだけに見えるのだけど・・・・
ここで僕は、行政がこの状況に対応できていないと確信し、自らの命を護る行動が必要だと感じたのです。
近隣のスーパーは停電で店を開けておらず、今は出て居る水道も、やがて山頂に貯水タンクの水が無くなれば断水になることは明確。
NetのNHKでは、高圧線の鉄塔崩壊の模様と、房総半島の多くで停電が発生していると伝えています。
【この規模でも停電は、簡単に復旧しないだろう。山間部の作業が多く、少なくとも4日、長ければ2週間かかるかもしれない。」と僕は残片的な情報から自分なりの見通しを立て、親父にそれを伝えたとところ「そんなことはない。停電はすぐになおる。安心せい」と返された。
この状況下、娘から預かった大事な孫を護るのか、自分の親を護るのか?
僕は、とても辛い決断を迫られながら、少しでも水と食料を集めるために走り回っていました。

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