天狗になるか控えめでいるか
仕事柄、若手のクリエイターが世に出る手伝いをしてい(ました)。
以前であれば、若手は必死に自分の実績を積み上げ、プロモーターに自分を売り込んで「お願いします!」と頭を下げ、やっと自分の作品が世に出る、というのが常でした。それが今や誰でも情報発信できるようになり、そのしきい値も低くなったので、自分でWebサイト構築して自ら発信するクリエイターも少なくありません。
とはいえ、出版となると話は別で、自分でセルフプロデュースするよりも出版社経由で出した方が広がりやすいという実態もあり、出版社経由というケースもいまだ健在です。
そういうところは昔ながらの慣習が根強いので若手が入り込む余地は少なく、そこを逆手に取って大手では取り合ってもらえなくても実力のあるクリエイターたちをプロモーションする、という活動をずっとやってました。
同じような活動をする出版社がなかったこともあり、私が目をつけた人が徐々に注目されて日の目を見るケースもちょくちょくあったのですが、デビューした若手は見事なまでに2種類に分かれます:引き続き謙虚なタイプと天狗になるタイプ。
プロモーションすると多少なりとも人々からちやほやされます。「先生!」と呼ばれることも。それによって少なからず「自分には才能がある」とか「自分はひとカドの者である」と勘違いするんですよね、人によっては。本当にひとカドの者であるのはそこそこ売上あってこそ、なんですが、世に出た事実だけでそう思っても仕方ないかと。
ライブ配信のライバーも似たような状況かもしれません。
多少新規のリスナーも寄ってきて「かわいい」とか「美しい」とか言われると嬉しいんだとは思いますが、自分が注目されること・時給ダイヤをもらえることを混同して同じように「自分はひとカドのものである」と人、います。応援されて当たり前というような。
その点プロは自分の立場をすごくわきまえてて、メジャーデビューしているアーティストでもライブ会場に人を集めることの大変さを痛感していたりして謙虚な人が多いという印象。あの態度は立派だったなー。でかい金銭的援助をする少数のファンに依存するのではなく、単価は安くても数こなしていかないといけないだけに、少数のファンに依存するライバーとは大違い。
ライバーという職業もまだ始まったばかり。勘違いをすることなく謙虚に活動を継続してもらいたいな、と感じます。
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