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質素なお金の通り道
私は、ときどき、お金に困ってしまうことがある。
(予期せぬ)急な出費がかさんでしまったときだ。
おかげさまで予定していた計画が一気に崩れ、
「今年の生活費、どうしよう。」
と、そんなことばかりに心が囚われる。
そして、なんだか、目に飛び込む風景、そのすべてがグレイになってしまったような、なんとも言えない不安感で胸がいっぱいになったりもする。
私はこれを「足りない病」と呼んでいる。
この世の中において、ガンを凌駕するほどに蔓延している重病だ。
ひとたび「足りない病」にかかると、見えないところで、自分自身の軸がドンドンとブレていく。このとき、誰もが症状を実感しづらいのが厄介だ。
オマケに、いつでも他人と比較する事がクセになり、常に誰かや、何かと、優劣を争うようにもなる。
しかし、「盛者必衰」という言葉が表す通り、
激しい競争の果てに得たいかに大きな報酬も、やがて儚く消え去っていくものである。
アレが足りない、コレが足りない。
給料が足りない、愛が足りない。
有るのは、劣等感に、その場しのぎの優越感。
見えない何かに追われ、有るはずもない自由な時間。
そんな心持ちの人は、どれだけお金を稼いでいても、時間やモノゴトに追われるばかりで、好きなことにも打ち込めず、大切な人と、ゆっくりと丁寧に心を通わせる余裕も無いのではないだろうか。
しかし、そんな「お金の呪縛」から逃れ、自由になる方法が、たった一つだけある。それは、「足るを知る」ことだ。
私は、お金に困った後、(ひとしきり取り乱した後に・・・)まずは深呼吸し、こんな風に、自分自身に対して声をかけてみる。
「あなたは、すべてを持っている。」
本当に必要としているモノは既に持っているし、
誰にも、心を支配されたり、殺されたりせずに、今日まで生きている。
美味しいものだって食べられるし、空を見上げては、まだ見ぬ異国へ想いを馳せることだって出来る。
足りないモノは、何も無い。
有るのは、誰にも強制されない自由な時間。
あなたは家族や友人に恵まれ、生きとし生けるものを愛し、心を通わせる。
「足りないモノは、何も無い。
お金は必要なときに、必要な分だけ巡ってくるさ。」
こんな風に、伝えてみると、グレイ一色だった心模様が、実に清々しい空模様に変わっていく。
自分自身が、この清々しい心持ちの状態をキープできている以上、不思議と、必要なときに、必要としているだけのお金が舞い込んできます。
まるで、お金と自分との、「エネルギーの通り道」が繋がったかのように感じるのです。宇宙の法則がどのように働いているのか、という科学的な解説は私にはできませんが、「足るを知る」ことで私の人生が、とても豊かに色めきだした事は間違いないのです。
「思い込みの力」。それは、一般社会において考えられているよりも、遥かに強力な力を秘めているように感じます。
それならいっそ、手放してみたらどうだろう?
足りない!という「思い込み」、稼ぐ人が偉いという「思い込み」。
勇気がいる事かもしれないが、
いざ踏み出してみたら実に爽快ですよ。
足るを知れば、
今ある収入で、生活はやりくりできる事を知ります。
足るを知れば、
質素で丁寧なくらしの中に、生きる喜びを発見できます。
足るを知れば、
時間に追われず、自分の好きなことに打ち込めるようになります。
足るを知ることで、
あなたは様々な束縛から自由になり、あなたが本当に豊かな人生を歩むための、「質素なお金の通り道」が開かれるのです。